編集長のズボラ料理(750) キノコのお茶パイ
数年前から、スーパーでパイ生地をを買うようになった。それまでは自宅では、パイなど縁がなかった。
ただ、子どもが小さいころは、不二家のホームパイや、パイの実を買っていた。三立製菓の源氏パイも家にはあったような気がする。
子どもたちが独立し、お菓子のパイと縁は切れた。ただ、喫茶店やカフェでお茶を飲む時、ケーキとしてのアップルパイを食べることはある。本来はケーキよりも酒の方が好きだが、誰かに誘われてアルコールのない店に行かざるをえない時もあるからだ。
レストランでもパイはある。ミートパイやホウレンソウのパイを見かける。おしゃれな感じもするが、どうも食べるのをちゅうちょする。アップルパイに慣れているから、パイと名がついていると、どうしてもケーキに結びついてしまうのだ。子どもが食べていたお菓子のパイとは思わないが。
パイ生地を買うようになったのは、自宅でアップルパイを作ってみることにしたからだ。毎年秋になると、長野県辰野町からリンゴを送ってくる。その縁で、リンゴの花を見せてもらいに行ったこともある。ゴールデンウイークの最中だった。少し雪の残ったアルプスを背景にして、ピンクの混じった白い花が咲いていた。その光景が忘れられない。
遊び仲間で青森県に行ったことがある。レンタカーでリンゴ畑沿いの道を走ると、赤いリンゴができていて、緑の葉とコントラスト絵本のようだった。その光景も忘れられない。
ご近所さんの実家が青森のリンゴ農家で、毎年いくつかをもらう。それに長野のリンゴ。両方の現地を見て、リンゴへの愛着が増し、それがアップルパイへと結びついた。
今回は新たに、おかずにも挑戦してみることにした。冷凍パイ生地を戻し、麺棒で伸ばしたうえ、端を折り曲げて立たせ、具を入れる容器の形に成形す、オーブンでから焼きする。
ブロッコリーを小口切りにし、軽く塩ゆでにし、水分を切る。シメジ、マイタケ、エリンギといったキノコと、輪切りにしたウインナソーセーをオリーブオイルで炒める。味つけはコンソメスープの素と塩、コショウ。生卵、生クリーム、お茶の粉を混ぜてよく混ぜる。パイ生地の容器に具を入れ、卵液をかけて、オーブンで焼く。
アップルパイですら、アップアップして作っているのに、キノコパイはもっとハードルが高かった。リンゴの時期までには、もう少し腕をアップさせなければ。ただ、お茶を使って少しズボラ色を出し、お茶を濁したつもり。(梶川伸)2024.08.
更新日時 2024/08/11