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編集長のズボラ料理(743) ミズナの豚肉巻き

長い肉巻きにしておいて、焼いた後で切る方がいいかもしれない

 ミズナはシャキシャキして,、大好きだった。少し葉先が 萎れてきても、水につけると、不思議とシャキッとする。そんな安心感がある。
 そのシャキシャキを生かす代表格が、ハリハリ鍋だろう。鯨肉とミズナのシンプルな鍋。シャキシャキではなく、ハリハリだが、どちらもかんだ時の音や食感による。偉そうに言っているが、実は高いから食べたことはなかった。
 ところが友人のおかげで食べるようになった。友人に誘われて行ったのは大阪市・桜橋の電通のそばの居酒屋さんだった。4半世紀ほど前のことで、名前は忘れてしまったが、メニューの中に1人用のハリハリ鍋があった。500円と安かったので、ちゅうちょなく食べた。。
 オーナーは「ベテイのマヨネーズ」という、ちょっと知られて店をやっていたが、バブルがはじける直前に手放したので随分ともうかった、と話していた。だから、遊び半分で居酒屋さんをやっていたようなもので、それでハリハリ鍋も安かった。
 その店もなくなり、またハリハリを食べる機会がなくなった。普通の店では高いからだ
 ハリハリにはもう1度、接点ができた。遊び仲間と大阪市・福島のおでん屋さん「花くじら」に行った時だった。そこに「はりはり巻き」があった。ミズナを束にしてクジラベーコンで巻いてあった。どんな味だったか、覚えていない。その店で食べたさえずり(クジラの舌)が小さいのに高かったのにビックリして、ほかの記憶が飛んだからだ。
 ミズナは今でも好きだが、「大好き」の「大」は取れてしまった。年をとると、歯と歯の間にすき間ができる。そこにミズナがはさまってしまうのだ。僕の場合は、抜けている歯もある。そこはスッポリ空いているのではさまることはない。ただ、ポッカリ空間のために、ほかの歯の間が少しずつ広がり、ミズナがさらにはさまりやすくなる。年寄りにとって、ミズナはやっかいな代物といえる。
 「大」なしにはなったが、好きなことはかわらないので、今回はミズナを使う。ミズナは束ねて、食べやすさを考え、長さを決めて切る。薄切りの豚肉で巻き、肉の端はカタクリ粉をつけてノリの代用にし、バラバラにならないように留める。フライパンに油をひき、豚肉巻きにコショウをふって転がしながら焼く。途中で蓋をして蒸し焼きの工程を加え、ミズナを少しシンナリさせる。食べる時には、ポン酢をかける。
 蒸し焼き工程はを加えなくてもいいだろう。次回はそうしてみる。どちらが歯にミズナはさまりにくいか、実験してみる。(梶川伸)2024.07.10。
                                                                

更新日時 2024/07/10


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