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編集長のズボラ料理(710) 鯛のあら炊きネギまみれ

生のネギも乗せてネギまみれを演出

 ネギは最強の薬味だと思う。
 うどんには欠かせない。讃岐うどんには、讃岐の細ネギを使うが、「欠かせない」を超える。セルフ方式の店の場合は、なおさらである。たいていは、ネギ、おろしショウガ、天かすは取り放題だから、スプーンですくい、ドバっとうどんに乗せる。こうすれば、かけうどん(素うどん)であってもネギがランクアップさせる。十分楽しめる。僕は勝手に、緑うどんと呼ぶ。
 僕は30年近く前、香川県でしばらく仕事をした。その時に、うどんとネギの深い関係を知った。人気店の1つ、「なかむら」に行った時だった。店にまな板が置いてあった。客はうどんを頼むと、店の外の畑でネギを収穫し、用意されている包丁で刻んで、できあがったうどんに乗せていた。作り手と客の共同作業を目の当たりにした。
 ラーメンにもネギは必須アイテムだ。その昔、大阪市・西梅田で勤務していた。会社から10分ほど歩いたところに「市丸」という店があり、実に美しいラーメンを提供していた。細いネギを3センチほどの長さに切って、放射線状に丼の縁を埋め尽くす(真ん中の空いた部分は具を乗せる)。僕は勝手に、緑のネギ筏と呼んででいた。食べるのがもったいなほどの美しさ。食べたけど。
 大阪でネギまみれといえば、十三(じゅうそう)のお好み屋さん「やまもと」のネギ焼きだろう。元同僚が高松市から大阪に遊びに来ると、やまもとに行きたがる。前回は十三のホテルに泊まったから、当然のことのように翌朝、やまもとに行くことになった。
 開店前に店の前に並び、店の人が注文を聞くので、すじ肉とコンニャク入りのネギ焼きを注文しておく。開店すると、鉄板の前のカウンター席は満席となる。すでに焼き始めているので、間もなくネギ焼きが運ばれてくる。ビールを1本だけ飲み、食べて飲んでさっさと店を出ていく。並んでいる客がいるので、長居ができないからだ。
 まだ午前11時。ビールの2本目を飲みに行く。十三はそんな時刻からやっている居酒屋さんがあるのだ。これで欲求不満が解消されるので、十三は良い街だ。。
 ネギは雰囲気がいいので、鯛のあら炊きをネギだらけにしてみる。あらの汚れを水で洗い、水分をふき取る。鍋にコンブをひき、しょうゆ、みりん、酒、水を入れ、薄く切ったショウガ、ネギ、梅干しを加えて熱してから、あらを入れ、落し蓋をして煮る。途中で時々、煮汁をあらにかけながら煮込んでいく。皿にあらや梅干し、ネギを盛る。鍋に残った煮汁に5センチほどの長さに切った青ネギを大量に入れて、サッと煮て、鯛のあらの上とそばにあしらう。
 問題が1つ。ネギは大量に入れたつもりでも、量は少なくなってしまう。実際にはネギまみれになりにくい。仕方がないの、生のネギも乗せた。(梶川伸)2024.01.25

更新日時 2024/01/25


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