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編集長のズボラ料理(595) アスパラの炊き込みご飯

アスパラは柔らかくなっているので、混ぜるのは軽く

 食レポというテレビ用語がある。食べ物や料理を口にして、その印象を語る。
 何かの省略形だと思うが、正式名称は何だろう。「レポ」はレポートを短縮したものだとわかる。では、「食」は?「食べ物」だろうか、「食物」だろうか。「食に関するレポート」は意味としてはわかりやすいが、単語にしては修飾語がついたようでまどろっこしい。「食」は略していなくて、「食レポート」が正式名称かとも思うが、それもしっりこにない。
 だからということではないのだが、食レポの内容もしっくりこないことが多い。第一、食べるものすべたがおいしはずがない。作り方失敗敗することだってあるのはずだ。嫌いな物だって出てくるだろうお。それなのに、「まずい」とか、「辛いすぎる」といった評価を聞いことがことがない。
 1度、僕の料理の食レポをやってほしいものだ。僕の料理の成功か確率は5割程度だから、食べた家族は文句ばかりたれる。だから、「おいしくない」と食レポされても、免疫がでおている。
 2つ目は。料理を口に入れてすぐに、「うまい」と発するケースがある。まだ、のどを通っていないのに、この反応。ひょっとして、口の中にAIが組み込まれていて、見た目のデータだけで判断できるのだろうか。
 3つ目は、食べてニッコり笑うだけで、言葉を発しない食レポも違和感がある。笑顔や笑いで表現しようとしているのだろが、どんな味なのかさっぱり分からない。口の開き方は甘辛のランクを示し、大笑いは「とても甘い」だとか、口角が上に1度上がるごとに糖度が1度高くなることを示すだとか、表情語文法のようなものがあれば理解できるかもしれないが、そんなことは辻調理師学校でも教えていなにはずだし、グーグル翻訳も対応していいない。。
 だから、料理番組は半信半疑で見る。だけど、よく見る。そして、よく参考にする。我ながら節操がない。
 今回は番組で見た食べ物を、全面的に取り入れた。アスパラの炊き込みご飯である。
 アスパラの表面を少しピーラーで削る。下の方の3分の1ほどと、コンブと一緒に煮てだしをとる。味つけにみりんと白だしを加える。アスパラとコンブは捨てる。このだしで米を炊く。具は残りのアスパラをぶつ切りにして加える。炊きあがったら、明太子とチリメンを加えて混ぜる。
 番組では、香川県産のアスパラ「さぬきのめざめ」を使っていた。だから、まねしようと思った。
 高松勤務の時、居酒屋「遊」によくお世話になった。転勤で高松を離れ、久し振りに訪ねた時、女将がまず出してきたのが、さぬきのめざめだった。それも生。それを食べて、言葉が出なかった。しっくりこない食レポの2つ目状態。次に、単に焼いて出してきた。生を上回る感激。口角の端が上がったままになってしまった。つまり、おいしかったということだが、僕には食レポは無理だ。(梶川伸)20

更新日時 2022/04/23


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