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編集長のズボラ料理(524) 麩とウリのカラシ酢みそ和え

ベチャベチャにならないように注意

 仙台市で頼まれた仕事をした後、少し時間の余裕があったので、松島などを見て、1泊してから大阪に帰ったことがある。宿は仙台駅に近いホテルだから、夜は居酒屋さんに飲みに行った。
 店を知らないから、観光案内所で聞いて、教えてもらった1軒に決めた。ついでにお薦めを聞くと、タンシチューと麩(ふ)の卵とじという奇妙な組み合わせだった。
 牛タンは仙台名物と知っていた。もう1つの麩も仙台名物だという。魚を期待していたのだが、教えられた通りに注文して、酒を飲んだ。
 そんなことを思い出したのだが、麩に特別な名前がついていたかどうかは思い出さない。そこでパソコンで、「仙台 麩」の文字を入れて検索してみた。そうしたら、「仙台麩」だった。何や、しょうもない。
 そのことよりも、検索の過程で、もっと大きなショックがあった。「仙台 麩」に近い候補もズラリと並ぶのだが、その1つに「麩レンチトースト」があったのだ。
 娘が遊びに来ると、食べ物を作る。居酒屋さんで出た料理のパクリが多いので、娘はいつも「オリジナリティーがない」と文句を言う。僕は反論する。「世界には70億人を超す人が毎日食べてるんやで。オリジナル料理などあるはずがない」
 しかし、1つだけオリジナルと自信を持っていたものがあった。フレンチトーストのダジャレで考えた麩レンチトーストだった。自信満々で、「編集長のズボラ料理」の109回でも書いた。さらに調子に乗って、友人の娘さんが喫茶店を開く時は、「話題になるから」と伝授したこともある。
 それなのに、「麩」の検索で麩レンチトーストが出てくるとは。読んでみたら、全く作り方は一緒。
 「そんなダジャレのつまらない料理なんか乗せるな」「そんな料理を思いつくのは、どうせ受け狙いの関西人やろ」。罵詈雑言(ばりぞおうごん)をパソコンの浴びせた。今度、娘が文句を言ったら、「オリジナル料理などないと断言できる」と言ってやるのだ。
 麩は水でもどし、食べやすい大きさに切って、だしの素をを加えて煮る。煮上がったら、水分を切っておく。ウリはゼブラ状に皮をむき、スライスして軽く塩を振って、しばらく置いたあと、水分を取る。白みそかこうじみそにカラシを混ぜ、酢、みりん、白だしで伸ばし、麩とウリを和える。
 例の喫茶店は結局、麩レンチトーストは採用しなかった。その代わり、フレンチトーストはメニューにあるらしい。(梶川伸)2021.07.18

更新日時 2021/07/18


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