押しつけ花物語(38) アジサイの歯がゆさ
アジサイは梅雨の時期の代表格と言える。花は七変化の異名があるが、一般的なアジサイの色は大きく分ければ青と赤で、さらに分けるとすれば紫が加わる。
色は好みだが、私は青がいい。それも咲き始めの淡い青が。ガクアジサイの場合は特に、青が柔らかい。白から青が加わっていく時の色は初々しくて清々しい。
押し花にする時も、そんな花をいただく。ところが少し青が進むと、押しているうちの紫がかった濃いめの青になってしまう。
ガクアジサイの咲き始めの赤も、見る目に優しい。残念ながら押しているうち、少しくすんだ紫がかった赤になってしまう。赤と青の両方の幼い色を、紙に残すのは難しく、いつも歯がゆい思いをする。(梶川伸)2020.06.21
更新日時 2020/06/21