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編集長のズボラ料理(391) タラとハクサイの茎のホワイトソース

ユズの皮を千切りにして振ってもいい

 タラはかわいそうな魚だと思う。卵は存在感が強いが、親の方はどうも影が薄い。
 タラコは大好きだ。僕のような団塊の世代は特にそうだ。おにぎりを例に挙げるとはっきりする。
 子どもが小さいころ学校の催しがあって、おにぎりをまとめて買いにいくことになった。10数人の子どもたちの注文を聞くと、ツナマヨネーズがダントツの1位だった。しかも、偉そうに「ツナマヨ」と言う。
 何でそんな洋風のものがおいしいんや、と思いながら、買いに行った。すると、コンビニのおにぎりコーナーで、ツナマヨは偉そうにスペースを取って並んでいるではないか。それ以来、四半世紀にわっったてコンビニでツナマヨは買わない決意を貫いている。団塊の世代の意地と、タラコへの思い入れがそうさせる。
 おにぎりは1個ではもの足りないから、たいてい2個買う。その場合は、何も考えることはない。梅とタラコに決まっているからだ。もし、考えるとしたら、タラコにするか、メンタイコにするかの身内同士の選択だけだ。
 パスタに関してもでも、団塊の世代は「壁の穴」という店に行っているし、そこから始まったタラコスパゲッティーの全盛時代を知っている。まだ、パスタと呼ぶ前の話ではあるが。
 メンタイコが日本を席巻していく過程も知っている。大阪市・梅田にメンタイコ食べ放題ランチの店「やまや」がオープンしたら、日をおかず行くのだ。行ってメンタイコをお代わりし、やはり食べ放題のタカナ漬けも次々と口に運び、後で「何でのどが乾くのだろう」と深く考えるのだ。
 神戸市北区に「めんたいパーク神戸三田」ができれば、ちゅうちょせすに行く。行ってできたてのメンタイコを使ったおにぎりを食べ、満足した後で、「できたてと、時間がたったものと、どう違うのだろう」と深く考えるのだ。
 その点、親のタラは目だたない。鍋物の具にするが、なかなか主役を張れない。正月前にはスーパー棒ダラが並ぶが、戻すのが面倒くさいので買わないし、買っている人を見たこともない。能登半島・和倉温泉で「タラの子づけ」として地味に存在を主張しているくらいのものだ。
 そこで、タラを主役にしてあげよう。とは言っても、「ためしてガッテン」で知った料理の応用編である。前々回はハクサイの葉の部分を使ったが、これも番組で知った。今回はその番組でやっていた白い茎の部分の料理。
 ハクサイの茎を20分ゆでて、スープを取る。ハクサイは食べやすい細さに切って、皿に盛る。タラをスープに入れて、さらにゆで、タラのスープも取る。タラもハクサイの横に並べる。
 鍋にバターの塊を入れて弱火で温めながら小麦粉を加えて練り、牛乳を注ぎ、薄めのホワイトソースを作る。白だしを少し垂らして和風味も加味する。それをタラとハクサイの上にかける。真っ白けなのがいいから、タラがいいのだが、色に埋もれて影が薄いともいえる。。(梶川伸)2020.01.10

更新日時 2020/01/10


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