このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(361) 麩とキュウリの酢みそ和え

夏は冷たく冷やして

 ホタルイカは好きからだ、時期にはスーパーでゆでたものを買う。そして、バクバク食べる。
 食卓での見かけも大事だから、トレイから皿に移す。この時、2つの大きな問題にぶち当たる。
 1つはホタルイカの目を取るかどうか。取った方がいいに決まっているが、結構面倒くさい。
 そこで、判断基準を設けている。プリプリのホタルイカなら、目は取る。普通のホタルイカは1パックで300円前後だが、プリプリは400円前後なので、値段に敬意を示す必要もある。
 もう1つは、中の柔らかい骨を取るかどうか。取った方がいいのは決まっているが、目よりももっと面倒くさい。
 これも基準を設けている。そのまま食べる時には、骨を抜かずに、手を抜く。ただし、例えばホタルイカと菜の花のパスタ」(「編集長のズボラ料理」10回)のように勝負をかける時か、暇な時には手を抜かない。
 その場合は、血みどろの一歩手間まで行く。それを過去の例で見てみる。
 最初は毛抜きのようなもので抜く。ところが相手が小さいし、老眼が進んでいるので、探りながらの作業となり、イライラする。そこで手の爪を使う。親指と人差し指の爪ではさむのだが、やがて人差し指の爪先が弱ってくる。
 そこで最後の手段、人差し指側は膚の部分を使うことになる。最初はいいが、次第に爪が膚に食い込んで痛い。大抵は血みどろになる寸前に終わるが、もし2パックに進んだとしたらどうなるかと想像すると、身の毛がよだつ。
 そうしたとしても、困ったことがある。ホタルイカには、酢みそがもれなく付いていることだ。僕は普通の刺し身のように、ワサビとしょうゆで食べる。すると、小さなビニール袋に入った酢みそが残る。
 これが中途半端な量なのだ。1つの料理の酢みそ和えにするには少なすぎる。だから冷蔵庫に入れておく。またホタルイカを買い、血みどろ未遂を経て、酢みそが残る。これで何とか使える量にはなるが、欲をいえば、もう1回待ちたい。
 麩(ふ)を水で戻してから、水分を絞る。少しだしで煮て、さまして使う方がもっといい。キュウリに軽く塩をふり、薄い輪切りにする。ためておいた酢みそで和える。好みでからしを混ぜる。
 もちろん、みそに砂糖を加え、酢、みりん、白だしで伸ばして使ってもいい。その場合には、冷蔵庫の中にホタルイカの酢みそが残り続けることになる。(梶川伸)2019.07.19

更新日時 2019/07/19


関連リンク