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編集長のズボラ料理(350) ソラマメのスープ

ネットリ度は水と牛乳で調整する

 店で食べて気に入ったり、テレビで見ておいしそうに思っても、作れないものがある。それは僕が、料理の基礎を知らないのからだ。
 先日、大阪市吹田市の「キッチンKENTO」のランチを食べた。JR岸辺駅のそばにあるオッペン化粧品本社のバラ園を見に行った際のことだ。 
 それほど目立つ店ではないのだが、客が並んでいた。20分近く待つことになったが、その理由がわかった。駅前歩道橋でつながっている国立循環器病研究センターが認定した「かるしおプロジェクト」の店だったのだ。
 1200円で、600キロカロリー、塩分2グラム未満のランチセットを出す。それでいて味がよく、思わず店の人に「上手な料理ですね」と声をかけたほどだった。
 これは、作りたくて作れない。僕の場合、塩の代わりに味をつけるレパートリーが少なすぎる。大根とトマトとサーモンのサンドイッチのような料理が出て、黒いソースがかけてあったが、その正体ががつかめない。バルサミコを使っていると思われるが、ほかに何を加えているか分からない。
 しかし、そのままではズボラ料理の名がすたる。そこでタマネギのみじん切りにバルサミコを注いで煮詰め、焼きナスにかけてみた。家族は「何でショウガと醤油じゃないの」と言って、一口だけしか食べなかった。作れないものは、作ってはいけないのだ。
 作りたくないというのもある。概ね面倒くさいものに決まっている。高血圧の薬をもらいに、近くの医者に行った。待合室で置いてある本を見ていて、ソラマメのスープに目が止まった。その途端、名前を呼ばれたので、本を閉じたから、作り方は読まなかった。
 どうせソラマメをゆでてからつぶすのであろう。そう思ったが、面倒くさそうだ。エンドウ豆ならさやからだせば、そのまま料理して食べられるのに、ソラマメの場合、さやから出してゆでたとしても、もう1度皮をむく必要がある。二重手間ではないか。だから、作らなかった。
 定年後は畑仕事が趣味の元同僚から、ソラメメが届いた。ありがたいが、たまらない。送っきた箱は、2リットルのペットボトル6本を詰めていた段ボール。多すぎるの2倍も3倍もある。いろいろ使ったが、ついにスープに踏み切った。
 ソラマメはさやから外し、ゆでる。皮をむき、牛乳と一緒にフードプロセッサー・ミキサーなどでつぶす。鍋にバターをいれ、タマネギのすりおろしを少し加え、ゆっくり熱しながら小麦粉を加え、団子状にする。牛乳を少しずつ加えてホワイトシースをつくる。ソラマメ・牛乳も入れ、塩とコンソメスープの素少々でで味を整えてから、スープにする。スープは冷蔵庫で冷やしてから飲む。
 ズボラ料理にしては面倒くさい。それに作り方を知らずにやっているので、これでいいのかどうか。医者に呼ばれるのがもう少し遅ければ作り方を読よめたのだが、次に行くのは1カ月半後。大量のソラメメを使い切るには、そこまで待ってはいられない。(梶川伸)201905.20

更新日時 2019/05/20


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