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編集長のズボラ料理(251) カボチャのスープ

バターや月桂樹の葉を入れて煮てもいい

 カボチャは、あか抜けない。音からしても、ボッチャリとしている。
 見た目も泥臭い。ひと昔かふた昔の言葉でいえば、ダサイのである。
 だから、料理にしても、もっさりしている。代表格はカボチャの煮物だろう。好きでよく作るし、皮の緑と中身のオレンジの色の組み合わせもいい。「甘いね」と言いながら食べるのだが、おしゃれとは言いがたい。
 カボチャのそぼろ煮も人気があるが、おふくろの味のイメージが強い。決して、ママの味ではない。
 しいて言えば、天ぷらが上品かもしれない。ただ、それも店で食べた場合で、家で作ると、家族に「カボチャかあ」と言われて、天ぷらの量を増やす添え物のように言われ、決してステータスは高くない。
 以上挙げたものは、和風のものばかりで、天ぷらを除けば、「おかず」のたぐいである。つまり、カボチャ→和風→おかず→庶民の味の流れになる。
 ひょっとすると、カボチャという音感が悪いのかもしれない。そこで、ナンキンと呼んでみる。すると、イモ・タコ・ナンキンという言葉が思いつく。これも、スマートではない。
 そこでパンプキンと呼んでみる。すると、一気にキラキラした世界が開け、洋風なイメージが生まれて、泥臭さも吹っ飛んでしまう。そして、思いつくのは、パンプキンケーキとなる。これも甘さを生かしているのだが、「甘さを抑えているのがいいね」などと気取ってみたくなる。
 スープもパンプキンの言葉を被せれば、洋風コース料理が続くのを想像させる。だから口飲みではなく、スプーンを使うのが当然のようなムードが漂う。それはズボラ料理らしくないので、あえてカボチャのスープとして作る。
 カボチャを適当にカットし、皮も切り取ってゆでる。ゆでたカボチャをミキサーかブレンダーでつぶす。その際に、ゆで汁も少し加える。粘りを出すため、ご飯粒も入れる。鍋に移し、生クリームと牛乳も入れて、弱火でゆっくりと煮る。塩、コショウ、スープの素で少し味付けをする。ご飯粒が和風・庶民のテイストへのこだわりで、だからカボチャのスープと呼ぶ。(梶川伸)2017.03.28

更新日時 2017/03/28


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