このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(229) マーボー大根

大根の葉があれば、最後に刻んで加え、混ぜながら火を通す

 最初はグー、ではなくてサンショウの話である。僕はサンショウがことのほか好きで、冷蔵庫の冷凍室にはいつもサンショウが入っている。
 今のものは春に買った。今年の春ではない。昨年の春、産直の店で売っていた。貧乏症だから、お得なものを選ぶと、ビニール袋に大量に入っていた。少し茎がついているので、それを取ってチャックつきの袋に入れて冷凍した。
 500円か600円で、1年、いや1年半も使い、きっと来年の春までもつだろうから安もんだ。1日1円にもならないし、1粒にすると10個1円前後ではないか。
 毎日毎日使うものではないし、1回に300個も使うわけではないので、長持ちする。色はくすんでくるが、腐りはしないし、味も辛みも残るので、平気で使っている。僕は勝手に、熟成サンショウと呼んでいる。
 そういえば、前回はたまたま寄った八百屋さんで見つけて買ったが、その時も使い切るのに2年かかった。最後の100粒が今のサンショウとダブり、慌てて食べたのを覚えている。
 前々回は、奈良県天川村産のものだった。友人の実家に行った際、庭に木があり、帰り際に大量に取らしてもらった。この時はつくだ煮にもしたが、八百屋以降は、そのまま冷凍保存をしている。
 それなら、サンショウの木を育てればいいではないか、となる。そこで、まず葉サンショウの木の苗を買ってきて、小さな庭にすみに植えた。なぜ実サンショウではないかというと、葉サンショウの方が安いことと、冷凍庫にはサンショウの実が大量にあったからだ。1年目は葉を少し収穫できたが、2年目に木が枯れてしまった。それから育てるのはやめた。葉で失敗したのに実に手を出して失敗しては、実もふたもないかである。
 大根をやや大きめのさいの目切りにして軽くゆで、いったん取り出す。フライパンに油をひき、ミンチ、タマネギのみじん切りを入れ、水分としてだしを加えて炒める。味付けは砂糖、しょうゆ、みそ、おろしショウガ、ニンニクのかけら、そしてサンショウ。僕は冷凍サンショウを包丁で刻んで加える。最後にカタクリ粉でとろみをつける。
 そろそろラストスパートをかけないと来春、サンショウが新旧ダブってしまう。(梶川伸)

更新日時 2016/11/28


関連地図情報

関連リンク