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編集長のズボラ料理(122) コンニャクの塩辛煮

煮詰めるが、焦げ付かないように

 幼稚園から小学校にかけての1年半、仙台に住んでいた。そのためなのか、小さいころから塩辛が好きだ。
 スジコ、梅干しが好きなのも、ひょっとしたら仙台の影響かもしれない。スジコはイクラにほぐす前のもので、塩がきかしてある。僕はどうあれ、少なくとも両親は、その味を仙台で覚えたに違いない。仙台の前は門司(現在の北九州市)、名古屋だから、スジコには縁がないからだ。親の好みが息子の僕に伝わったのだろう。
 梅干しと仙台は結びつかないようだが、僕には大いに関係がある。仙台の時、隣の家は庭で梅を干していたのを覚えている。もっと詳しく言えば、盗み食いをした時の塩辛さである。
 最近はハチミツを使った梅が幅をきかしている。しかし、僕はしょっぱい梅干し派である。第一、ハチミツ梅ではつばが出てこない。つばが出なければ、梅干しではない。
 しょっぱい梅干しなら、想像しただけで、つばがあふれてくる。だから、実物を食べなくてもいいほどだ。そう思っている時、近所のおばあちゃんから、しょっぱい梅干しをもらった。娘さんが作っているらしい。
 たくさんあったので、うれしくなって食べていたら、底をついてきた。困った。おばあちゃんに会うたびに、「おいしかったわあ」と水を向ける。「じゃあ、娘からまたもらってくるわ」の一言を期待しているのだが、どうも反応が鈍い。もうちょっとプレッシャーをかけてみようか。
 もとに戻すと。塩辛とはイカの塩辛のことだ。その延長線上で、カツオの塩辛の酒盗も好きだし、長崎に行けば生カラスミを買うし、岩手ではホヤの塩辛を買った。
 ホヤなど高いから常備はしないが、イカの塩辛はいつも冷蔵庫にある。なくなってはいけない、という強迫観念から、残り少なくなるとスーパーに行く。先日、塩辛を入れていた容器を冷蔵庫から出す時に落としてしまい、割れてしまった。塩辛を入れたばかりなのに。仕方がないから、掃除をして、すぐにスーパーに走った。
 コンニャクを薄く切る。だし、砂糖、しょうゆで、切ったコンニャクをじっくり煮る。煮汁が少なくなってきたらイカの塩辛を入れ、汁がなくなるまで煮る。コンニャクもイカの塩辛も安いから、お薦めできる。なにせ、仙台以来の塩辛派なので。(梶川伸)2015.02.28

ホヤの塩辛 生カラスミ

更新日時 2015/02/28


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