押しつけ花物語(13) オオイヌノフグリの繊細さ
わが家の周りで、1番先に春を告げる野の花はオオイヌノフグリである。地をはうように広がって、小さな花を見せる。
繊細な花だと思う。例えば春の盛りでも、朝の早い時間帯であれば、見つけるのは至難の技だ。日中になっても、曇の日なら見つけにくい。どちらの場合も、しっかりと花びらを閉じて、青の色は全く見えないからだ。太陽の光に、敏感に反応しているように思う。
花びらの端をつまむと、何の抵抗もなく茎から外れる。しかし、押し花にしようと思うと、花びらは薄く、なかなか色が残りにくい。
繊細な青い宝石は今年、1月18日に早くも咲いているのを見た。寒いさなかに、たった一輪だけ。いじらしい。(梶川伸)2014.
更新日時 2015/01/23