押しつけ花物語(12) サザンカの扇
花の少ない冬に、サザンカは存在感を示す。赤い色が多いので、なおさら目立つ。
1本の木に咲く数も多く、生け垣にも使われる。そうすると、葉の緑と花の赤が入り混じった塀となる。
咲き終わった後もいい。花びらで散り、地面を赤く染める。花びらを失っても、花にはしべが残る。黄色が勝ったオレンジ色で、細いしべは茶筅(ちゃせん)のような繊細さを見せる。
しべを押し花にする。茶筅形のままでは押すことができないので、半分にして平面状にして紙にはさむ。水分が抜けて紙を取ると、そこには金の扇が舞っている。(梶川伸)2015.01.13
更新日時 2015/01/13