編集長のズボラ料理(818) ゴマ豆腐の天ぷら
友人が誕生祝いとして、神戸市(三宮と元町の中間)の和食の店「こまじろ」のランチに誘ってくれた。一刻和膳1870円。
まず、前菜が箱に入れて運ばれてくる。刺し身、ワカサキ南蛮漬け、安納芋、サワラの柚あん焼き、アナゴのすし、サクラエビなど10種類ほどが少しずつ。次に天ぷら。エビ、ゴマ豆腐、タマネギ、ナス。ご飯はサワラの煮つけとみそ汁、漬け物。デザートはわらび餅。天ぷらは揚げたてでアツアツ、サクサク。サワラの柚あん焼きも気に入った。1番印象に残ったのは、店の3人のキビキビとしたまじめな働きぶりだった。
店は2階にある、食べ終わると、女性店員が1階まで送ってきてくれた。昼の営業の忙しい時間帯が過ぎ、余裕ができたからだろう。「サワラの柚あん焼きとゴマ豆腐の天ぷらが印象に残った」と告げると、店員はうれしそうに、「私もゴマ豆腐が好きなんです」と言った。
それが呼び水で、「アツアツだったなあ」「やけどしないでください」とおしゃべり。まだ店には客が残っているのに。店員の笑顔は、本当にこの料理が好きなんだという気持ちがを表しているいた。
京都市、がんこ高瀬川二条庵で集まりがあり、昼食を食べた。ちょっとしたコースの中に、ゆばとゴマ豆腐の小鍋があった。メーン料理ではないが、存在感があった。大きくて忙しい店なので、店員さんとおしゃべりはしなかったが。
ゴマ豆腐は食べ物の中にで、特異な地位を占める。とびっきりの味ではないが、精進料理の代表格になっている。だから高野山土産の代表で、どこの店のものかが話題になるほどだ。
ご近所さんからもらったのも、ゴマ豆腐だった。高野山土産ではなく、里帰りした時の徳島土産。「おいしいたれ味噌付きごま豆腐」だった。どこの土地ものでも、土産になるのも興味深い。
ゴマ豆腐はスーパーでも売っているので、それを使う。たいていは小さなパックに入っているので、取り出してペーパータオルで包み、表面の水分を取る。2つか4つに切って、小麦粉をまぶす。ボウルに小麦粉、カタクリ粉、すりおろしたナガイモ少々を入れて混ぜ、これを衣にして、ゴマ豆腐を油で揚げる。
こまじろでもう1つ、印象に残ったことがある。店の名前が気になって、聞いてみた。「小町」という店があり、ここが2号店。だから次郎。つまり「小町次郎」→「こまじろ」。料理とかけ離れたしょうもなさ。(梶川伸)2025.08.21
更新日時 2025/08/21