編集長のズボラ料理(731) カラフルカリフラワー
料理の味は、見た目も大いに影響する。当たり前のことだが、遊び仲間で京都市・建仁寺を訪ね、近くの「祇おんきらら」で昼食をとった時も、そう感じた。
遊び仲間といっても、僕などは飲み仲間と思っている。だから、昼食の場所には、それほどこだわらない。しかし、遊び仲間の半数は女性だから、そうはならない。
仲間は京都市・四条河原町に近い南座の前で待ち合わせた。一力の角を曲がり、祇園花見小路を南下する。大石内蔵助は仇討ちの計画を悟られないように、一力に通ったという。
一力の前を通ると、誰かが必ず言う。「残念!まだ店が開いてない。昼ご飯は別の店にしよう」。僕らには縁がない店だが、つい言ってみたくなるのだ。聞いた方も、「残念だけど、そうしよう」と応じるのも、いつものことである。
祇園は観光客がウジャウジャしていた。建仁寺の参拝を済ませた後も、相変わらずウジャウジャは続いていた。こんな状況でも、女性組は店にこだわる。そこでリーゾナブルなきららに行った。
案の定、客が並んでいる。店に聞くと、待ち時間は30分くらい。僕は並んで飲む根性はないので、どこかすいている店に行くことを提案した。しかし、女性組は待つと言い、その食への圧力に負けた。いつものことである。
料理は十数種のおばんざいと、天ぷら、野菜サラダが大きな皿に盛ってあった。京都らしく、祇園らしい。丁寧な仕事で、見た目が美しい。もし、一力に行っていても、そうだろう。知らんけど。
これは、女性組の判断が正しかった。まずみんなビールを飲んだが、続いて日本酒を飲んだのは僕だけ。みんなきれいな料理に専念していた。いつに似ず、静かに。。
見た目も料理の味の1つであり、味の力にもなることを再確認したが、今回のズボラは見かけだけで勝負してみた。僕には料理の技がないから、見かけ一本やり。色をたくさんつければ、見映えが良くなるはずだ。。
使ったにはカリフラワー。白いので、色をつけやすいという安易な発想。好みの大きさの塊に切り、だしと白だしで味をつけながらゆでる。半球状にして皿に乗せるため、安定するように茎を切る。カリフラワーはゆでると、房と房の間にすき間ができる。それ利用して、房ごとに色をつける。僕は梅酢と梅肉、カレー粉、豆鼓醤、コンブ茶の粉、メンタイコ、お茶の粉にした。
色づけはやや薄かったが、カラフルさは成功した、とほくそえんだ。食べた家族は、「マヨネーズの方がいいなあ」。何!分ってないなあ、今回は、味より色なのだ。(梶川伸)2024.05.15
更新日時 2024/05/15