編集長のズボラ料理(734) 鶏肉のマスタード焼き
食べ物の表現は難しい。似たもの同士の味の差も同じ。
これは分かりやすい、と拍手を贈った表現を見た。それは和からしと洋からし(マスタード)の違いだった。「鼻にツーンとくるのが和からし」。なーるほど。何とわかりやすい。
おでんは「来た」と言って叫ぶ。これが仲間で食べに行った時の、恒例行事みたいなもので、必ず誰かが言って、鼻をつまむ。それで場は盛り上がる。和からしの威力である。
おでんにマスターはつけない。酸味はあっても、ツーンとこないから、リアクションが取れない。むりやり「酸っぱ」と言ったとしても、噓くさくていっぺんにしらけてしまう。
マスタードと言えば、ホットドッグが思い浮かぶ。パンがパサパサしていて、好ん食べることはない。ただ、友人に初めてコストコに連れていってもらた時は、進んで食べた。安かったからだ。僕のホットドッグに対する考え方もいい加減なものだ。マスタードもつけ放題だから、大量につけた。ツーンはなにので。
ホットドッグに似たようなものだが、イスズベーカリー(本店・神戸市)のトレロンは好んで食べる。細長いパンにソーセージが挟んであり。そのすき間にマタードが塗ってある。これもツーンはない。
パンは厚みはなく、モッチリと固くかみ切りにくいタイプ。日本人はモッチリパンが好きで、僕もその1人。だからトレロンは、志津屋(京都)のカルネとともに、僕の好きなパンの最上位を占める。
今回のズボラには、マスタードを使った、鶏肉を用意し、表面に包丁で切れ目を入れ、塩、コショーをふる。多めの油をフライパンに入れ、揚げ焼きにする。鶏肉は取り出して、片面にマスタードを塗り、さらにパン粉とみじん切りのパセリを乗せて、オーブンで焼く。
以前、マスタード豚カツを作ったことがあった(ズボラ料理504回)。この時もマスタードをべったりつけた。マスタードは量に関して神経質になる必要はないので、ズボラ料理には重宝している。(梶川伸)2024.05.30
更新日時 2024/05/30