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編集長のズボラ料理(659) 鶏肉のお茶焼き

お茶の粉は多めがいい

 茶道には全く縁がない。毎日新聞の地方機関の長として立場上、やむをえず1度だけ。茶席に座ったことがるが、知識や心得のない者が行くべきとこではないと思い知った。そ
 僕はいつもTシャツとジャケットで仕事をしていた。Tシャツはユニクロで、模様のない一色だけのものが好きで、そればかりを選んでいた。けっこう偉い人と会う時も。そのかっこうだった。「あなたは自由人ですね」と言われたこともあったが、話題を変えればいいだけのことだった。
 茶席となると、そうもいかにように思えた。なぜだろう。きっと茶席では話すこともなく座り続ける。すると、一色のTシャツはよく目立つので、視線がTシャツを通して心臓に突き刺さるに違いないと心配するからだろう。
 そこで数少ないスーツを着て行った。嫌々だから、どうも落ち着かない。赴任する前に、しかも、かしこまっていなかえらばならない。そんな窮屈な思いはコリゴリで、以後は招かれても、残念ながらその日は予定が入ってんいることになった。
 定年にもなり、今は茶席には縁がない。ただし、お茶には縁がある。隣町は京都府和束地で、お茶の産地である。その隣が宇治田原町、さらに宇治市と宇治茶の産地が続く。
 お茶には恵まれているが、格式ばったものとは無縁。近くのスーパーの前の広場で、和束町のイベントが開かれることもある。そこで、気楽に「茶だんご三姉妹」を買い食いする。スタイルはいつも、ジャージにサンダル。
 歩いて20分ほどの場所に、福寿園の研究所がある。たくさん種類のお茶に木を栽培している。それも面白いのだが、もっと面白いのは建物中にあるに宇治茶カフェ「花茶人(はなちゃじん)」。抹茶チーズクリームパスタなどいう食べ物がある。暑い日は半ズボンで行くが、全く気にならない。客はほとんどいなからだ。
 宇治市に行けば、老舗の伊藤久右衛門でレトルトの宇治抹茶カレーを買う。京都市・伏見まで明日を伸ばせば、黄桜酒造で発泡酒「抹茶」を買うことができる。お茶は実はカジュアルなものだ。
 ぶつ切りの鶏肉に塩とお茶の粉をまぶしてビニール袋に入れ、よくもみ込む。それをオーブンで焼く。
 ちなみに、和束町の茶だんご三姉妹は煎茶、ほうじ茶、抹茶だった。和束町のイベントからしばらくして、その隣の京都府唯一の村、南山城村の催しが同じ場所であり、どら焼きを売っていた。抹茶どらと、ほうじ茶どらだった。お茶だらけに中で生きている。(梶川伸)2023.04.17

更新日時 2023/04/17


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