このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(554) ピーマンのバターしょうゆ炒め

バターにしょうゆはよく合う

 しょうゆはいいなあ。いつもそう思う。
 ご飯にしょうゆをかけ、カツオ節を乗せて食べる。食材がない時には、これに限る。しょうゆが好きだからこその食べ物で、いわゆる猫まんまなのだが、ご飯、しょうゆカツオ節は最強トリオと言っていい。
僕の場合はカツオ節がなくてもいいくらいだ。
 トウモロコシにしょうゆをつけて焼く。これにかなうものも、そうそうない。芳ばしい香りが流れてくると、買わざるをえない。これもしょうゆのおかげで、トウモロコシなどなくてもいいくらだ。
 しょゆ好きだから、いろいろと使ってみる。すると、その種類の多いこと。一番ビックリしたのは、友人からもらった透明醤油(しょうゆ)だった。名前の通り無色透明なので、どうもしょうゆらしくない。
 しかし、考えてみれば、関西には昔から薄口しょうゆがある。濃い口の比べれば、各段に色は薄い。最近は白だしが大はやりで、僕も重宝している。これはほとんど色はない。その流れを考えると、行き着く先が透明醤油というのもうなずける。
 日本酒も甘くて味が強いものから、端麗辛口への流れがある。僕はうまみの強い酒が好きなので、時代に逆行している。だから、酒はやがて水になると心配する。
 ケーキだって、甘さ控えめが主流になってきた。やがて、控えめどころか、「甘さなし」になると心配する。
 しょうゆは基本的に、大豆、小麦に塩だけで造る生醤油が好きだ。しかし、もう主流ではなく、探すのが難しくなってきた。
 一方で、味をつけたしょうゆがどんどん増えている。これまで試してみたものの中からピックアップすると……。
 漁家類が多く、サケ、タチウオ、ハモ、アユ。貝ではアサリ、シジミ、カキ、ウニ。海藻ではアオサ、ノリ、コンブ。植物ではサンショウの実、オリーブ、トウガラシ、カンゾウ、そして、1番ビックリしたバナナ。
 ご近所さんがスーパーで、ピーマンに詰め放題に挑戦し、1袋持ってきてくれた。30個前後入っていたので、さて、どう使うか。
 新聞記時代の同僚が定年後、農業をしている。現役時代は文化財の発掘ものが得意で、僕は勝手に考古学ファーマーと名づけている。その彼が、収穫した大きなピーマンの写真をフェイスブックに載せていた。そこで、お薦めの食べ方を尋ねてみた。「一番おいしいのは、まるごと素焼きして醤油をかけて食べる」。やはりしょうゆなのだ。
 ピーマンは縦半分に切って種を取り、バターで炒める。最後にしょうゆを垂らし、さらに少し炒める。
 九州のしょうゆは甘い。その代表格は、大分県のフンドーキン。僕の周りには、それが好きな人が何人もいる。甘いのも悪くはないが、どうも名前におかしみを感じる。(梶川伸)2021.10.20

更新日時 2021/10/20


関連リンク