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編集長のズボラ料理(540) メンタイコご飯のお焼き

チーズが少し焦げると香ばしい

 幼いころに一時期だが、仙台に住んだことがある。その時にスジコを覚えて、未だに好きな食べ物として続いている。
 スジコはサケの卵で、卵巣と言った方がいい。1粒ずつほぐすとイクラになり、その方がポピュラーと言っていい。でも、僕はスジコの方が好きで、これは仙台の影響だと確信している。
 スジコやイクラは、名前からは何の子がわかりにくい。その点、タラコはタラの子だからわかりやすい。それなら、スジコもサケコんすれがいいではないか、とよく思う。
 タラコはタラの子だから、しごくわかりやすい。これも子どものころからすきで、やはり仙台の経験が影響しているのかもしれない。ただ、タラコに関しては、変遷の流れがある。
 もともとは、タラコは焼いて食べていた。ただ、焼くのに結構気を遣った。サケの子のように粒が大きくないから、1腹、2腹として扱う。上手に焼かないと、皮がはじけて、中の小粒が旅出してしまう。そのタラコに対する世界観を変えたのが、仙台だったように思う。
 生で食べることを覚えたのだ。何だか通っぽいではないか。大人になってさらに生にのめり込んでいった。
 では、今でも生タラコ至上主義かというと、そうではなくなった。僕のタラコ界の中心にいるのは、メンタイコになってしまった。スーパーで買うのも、ほとんどがメンタイコ。コンビニおにぎりも同じ。挙句は兵庫県三田市の「めんたいパーク三田かねふく」に行くやら、大阪市・梅田のメンタイコ食べ放題の店で昼ご飯を食べるやら。
 この転換点は何か。それは、新幹線の博多延伸(1975年)だという説が一般的だ。福岡県でよく食べられていたものが、新幹線によって広まったという。
 僕の場合は、メンタイコが全国制覇をしてからのことで、変遷のスピードはこだまなみに遅かったが。いずれにしても、焼きタラコ→生タラコ→メンタイコへと変わっていったので、新幹線に感謝しなければ。
 ご飯にメンタコ、細かく切った大葉を多めに加え、さらに刻みネギ、ピザ用のチーズも足してよく混ぜ、円盤状に成形する。フライパンに油をひき、円盤ご飯の両面を焼く。途中でふたをして、ご飯の中の方のチーズも溶かす。
 メンタイコ食べ放題の店に行ったのは1回だけ。からしタカナも食べ放題で、2つをバクバク食べたら、あとでのどが渇いて仕方がなかった。それなら、たくさん食べなければいい。そうも思うのだが、食べ放題でなけば、その店に行った意味がない。だから、のどが渇くには、やむを得ないことだ。(梶川伸)2021.09.10

更新日時 2021/09/10


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