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編集長のズボラ料理(543) カレー味ジャガイモの薄焼き卵巻き

ジャガイモの具は好きなものを

 キョウチクトウは夏の花の代表だつだった。街路樹でよく見かけた。あの赤い色を見ると、暑さが増した。なにも夏に、花は赤くなくてもいいではないか。そうも思った。
 最近はキョウチクトウを見る機会が減ったように思う。そう感じていた時に、「キョウチクトウには毒がある」と聞いた。調べてみると、キョウチクトウの毒性は、花や茎はもちろん葉や根など、ほぼすべての部分に含まれている。ビックリである。
 そのせいで、キョウチクトウの街路樹が減ったに違いない。おかげで、ちょっと暑さがましになったような気がする。気がするだけのことで、温暖化の夏はやたら暑い。
 夏が過ぎ、秋になる。お彼岸のころ、ヒガンバナが咲く。奈良家宇陀市に仏隆寺がある。本堂に登る狭い石段の両側に、ヒガンバナが咲く。その風情がいい。
 寺の奥さんに取材し、おもしろいことを聞いた。「子どものころは、両手を後ろにしてヒガンバナのそばを通った。手腐れ花だから」。根の毒性があるので、「手腐れ花」と教えられたそうだ。
 こうも言った。「根は使いようによっては薬にもなる。このことは記事に書かないで」。根を掘りに来たグループがあったからだ。
 「きれいな花にはトゲがある」。よく聞く言葉だが、「きれいな花には毒がある」も考えねばならない。さて、ここまでは、ジャガイモへの導入である。
 スーパーでは時々。ジャガイモの安売りをしている。1個30数円で売っていて、袋に詰めて買う。安いから5つ買う。別のスーパーでも同様の安売りをするので、これもつい5個買ってしまう。そうすると、ジャガイを食べきれず、しばらくの間、残ったままになる。
 そこへ、元同僚が畑仕事でできたジャガイモを大量に送ってくる。どんどんジャガイモがたまる。そのうち、芽が出てくる。やっとここからが本題ととなる。
 芽には毒があるらしいのだ。きれいな花でなくても、毒があるのだから、ジャガイモため込み派の僕としては困る。だから、次々をジャガイモを食べるはめになる。今回も。
 ジャガイモをゆで、皮をむいでつぶす。ソーセージのみじん切りを加え、塩、コショウ、乾燥粉パセリとカレー粉をふり、よくかき混ぜる。それを棒状にする。薄焼き卵を作り、ジャガイモを巻く。
 うちのジャガイモは、籐(とう)で編んだかごに入れて、冷蔵庫の横に置いてある。芽が出ているものが見える。早く食べなくては。ジャガイモ中毒になったら、芽もあてられない。(梶川伸)2021.09.19

更新日時 2021/09/19


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