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編集長のズボラ料理(548) シイタケのみそマヨネーズ焼き

みそカツのように、甘味を強くしてもいいかも

 西国33所観音霊場を回ったことがある。自分で「日帰り・安上がり」というルール作った。
 最後の33番・華厳寺は岐阜県にある。青春切符を使い、JRで岐阜駅に行き、名古屋鉄道で谷汲(たにぐみ)駅まで行って、そこからは徒歩。帰りも同じルートをたどった。
 西国巡礼の最終回なので、帰りには岐阜の名物で満願祝いにすることを楽しみにしていた。そこで、岐阜駅で乗り換える際、観光案内所で名物を聞いてみた。
 教えてもらったのは、みそカツだった。それを聞いて、「おみゃー、そんな事あらすか」と名古屋弁で思った。高校時代に名古屋に住んでいたので、名古屋弁なら少々わかる。
 みそカツは名古屋ややろ。ここで我に返り、関西弁に戻る。いくら隣県でも、これでは岐阜らしさがないやないか。不満顔を見て取ったのか、係の人は「岐阜もみそ文化圏なので」とたしなめ、「一楽」と「清楽」というみそカツ屋さんの具体名まで教えてくれた。
 電車の時間待ちでデパートをのぞいた。そこで見つけたのは枝豆せんべい。聞けば枝豆は岐阜県の名産で、ほかにも枝豆ういろうもあった。せんべいを買い、電車の中で食べながら、寺をめざした。
 谷汲駅から寺への参道で、何でも屋を見つけ、店をのぞくと、トマピーがあった。1個100円。ピーマンを押さえつけたような形していて、色は真っ赤。店の裏の流しで洗わしてもらい、かぶりついた。まさに、ピーマンとトマトの中間のような味。
 参拝をすませ、満願となった。帰りの参道の酒屋さんで祝杯をあげた。見つけたのはマタタビを使ったビール「マタタビペイルラガー」。店の人にせんを抜いてもらい、紙コップをもらい、電車の中で飲みながら、岐阜まで戻った。マタタビの実が1つ入っていて、それをかじると、苦い味がした。ただ、猫のように酔っぱらうことはなかった。
 食べたり飲んだり、何のための巡礼なのだろう。締めは観光案内所で教えてもらったみそカツの店へ。まだ午後6時だというのに、一楽は本日終了。清楽もすでに店を閉めていた。
 すっかりみそがついてしまい、仕方なく、清楽の隣の店へ。天ぷら屋さんだったが、エビフリャーではなく、みそカツ定食を食べた。甘味のあるみそのソースが、結構おいしかった。やるやんか、岐阜!
 シイタケはいしづきを取り、それを細かく刻む。ネギとベーコンもみじん切りにする。みそとマヨネーズを混ぜ、みりんも少し加えてよく混ぜ、さらに細かく切ったものを混ぜ、それをシイタケのかさの内側に塗り、オーブンで焼く。
 そういえば、まだ一楽も清楽も行ったことがない。もう1度、西国巡礼をしろということだろうか。次は食べ物に重きをおかず、まじめに参拝しよう。でも。そうすると、みそカツ有名店には行けない。どうするべきか。(梶川伸)2021.10.05

更新日時 2021/10/05


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