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ちょっと味見を(1385) 鬼味噌漬

鬼味噌漬

 京都府南丹市のJR八木駅で降りて、木喰上人(もくじきしょうにん)の仏像を拝観しようと思い、清源寺へむて歩こうとした時だった。1時間近くかかると思ったので、念のために寺に電話をした。すると留守番電話になっている。
 どうしたものかと思案していると、「丹波名産・鬼味噌(みそ)漬」の看板を見て、店に入ってみた。主人は親切な人だった。事情を話すと寺に電話をしてくれたり、木喰仏の話をしてくれたり、清源寺以外に訪ねたらいい場所を教えてくれたり。20分ほど話し込んだ。
 鬼味噌漬は800年の歴史があるという。ウリのみそ漬けだが、3年寝かせているので、みその辛さがしみこんでいて、それで「鬼」の字を使っている。
 黒に近いような濃い焦げ茶色をしている。見た目は奈良漬けだが、甘みを感じることはない。しかし、ただ辛いだけでなく深みもあるので、ご飯のお供として癖になる。
 店を出て再度、寺に電話をすると、「公務」のため、その日は寺を閉めているという。歩いて行かなくてよかった。もし行って空振りの後は、隣の駅に向けて歩くつもりだったので、鬼味噌漬と出会うこともなかった。(梶川伸)2018.11.12

更新日時 2018/11/12


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