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心にしみる一言(145) 大正区は関西のエスニック・コミュニティー

沖縄料理店のしし舞い

◇一言◇
大正区は関西のエスニック・コミュニティー

◇本文
 大阪市大正区には、沖縄出身の「ウチナンチュー」が約2万人生活していて、区の人口の4分の1ほどを占める。街を歩けば、ゴーヤ(ニガウリ)の棚が目につき、沖縄料理店では、泡盛を飲んで興が乗ると、三線(さんしん)の演奏と島歌に合わせて客が踊り出す。
 そんな環境で米国・ブラウン大准教授、スティーブ・ラブソンさんは1年間生活した。沖縄研究のためだった。15年ほど前にラブソンさんに話を聞いた時、大正区の特徴を上記のように表現した。
 1967年に陸軍兵士として、沖縄・辺野古に駐留した。青い海、霧に包まれた段々畑の風景が目に焼きついた一方で、日本復帰運動の高まりの中で、連日のように続いたデモが目に焼きついた。「誰かがちゃんと、アメリカ人の立場で研究しなければ」と考えて、除隊後は学究の道を選んだ。
 米国と沖縄を何度も往復し、現代沖縄文学を英訳して出版した。「アメリカ国民は1995年の少女暴行事件で、やっと沖縄の基地問題を知った」。米国と沖縄の距離は遠い。だから、沖縄の心の仲介者を買って出た。「軍事上の関係を強調するのではなく、文化や経済の関係を築くのが大事」と語り、好きな泡盛が祖国でも簡単に手に入るようになることを願っていた。(梶川伸)2018.02.09

更新日時 2018/02/09


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