ちょっと味見を(946) 鶴の湯の囲炉裏端料理
秋田県の乳頭温泉に行った。泊まったのは鶴の湯の別館・山の宿だった。青みがかった乳白色の湯もよかったが、夕食も印象に残った。
囲炉裏端で食べる。席につくと、イワナを串刺しにして山椒(さんしょう)塩で焼いたものが、火のそばに刺してある。いつでも食べられるようになっていた。畳の上に置いた盆に、ミズ、ヤマブキ、ナラタケといった山菜が並ぶ。
メーンは囲炉裏で焼き物だった。自分で焼く。八幡平ポーク、ヤマイモつくね、トンブリしんじょうなど、土地ものにこだわっていた。刺し身はベニマスの昆布じめ。もう1つの名物、山の芋鍋が囲炉裏のフックにかけられた。豚汁をもう少し上品にした味つけで、具は丸めた山がメーンだった。つなぎを入れなくなくても、球になると、係の人が言っていた。山の宿らしい料理で満足した。デザートはあきたこまちのぬかで作ったアイスクリームで、これも予想外の材料だった。(梶川伸)2017.09.05
更新日時 2017/09/05