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編集長のズボラ料理(226) イチジクとクリームチーズのサンドイッチ

2つ折りにして食べるのがちょうど良い

 定年になって以降、ひまだからよく散歩をする。そうすると、同じように散歩している人が結構いる。きっと同じようにひまだからだろう。
 朝散歩の人は、生態学的に2種類ある。1つは散歩自体が主目的のグループ、もう1つは犬に引きずられて歩く人だ。
 散歩主目的グループを分析すると、さらに3つに細分される。まず、何ら特徴のない普通散歩。次は腕を大きく振るグループで、近づいてすれ違うと、アッパーカットをくらいそうになる。最後はノルディックウォークスタイルで、両手にステッキを持っているので、これも近づきすぎない方がいい。
 朝歩くと、見ず知らずの人にもあいさつをする。それは山歩きと似ている。
 しかし、山歩きと朝歩きでは、大きな違いがある。山で出会う人は99.9%まで山歩きの人だと言っていい。ところが朝歩きの人の散歩率は50%で、残り50%は通勤・通学者である。
 そこに大きな問題が生じる。あいさつは散歩者に対して行うルールになっている。散歩者はあいさつの準備をしたまま、前から来る人とすれ違う瞬間に、相手が散歩者かどうか見極めなければならない。的中率を高めるには、経験を積む以外にない。
 散歩には主目的以外に、パン屋をのぞくという2つ目の目的がある。奈良県と京都府の府県境に住み、散歩コースにはパン屋が結構ある。
 パン屋もさまざまだ。道に小さな「ほたはる」の表示があり、入ってみると家の玄関のような小さなスペースで、パンを並べている店がある。家の奥さんが趣味でやっているという。店名の意味を聞くと、「群馬県出身で、山好きのため、地元の武尊山(ほたかやま)と榛名山(はるなさん)を合わせて名づけました」。
 山にからんだ名前の店がもう1つある。アルペンローゼ。レストランまで併設しているて、京都市内にも支店を出す人気店だ。そこで必ず買うパンがある。イチジクを練り込んだパンで、「イチジクのカンパーニュ」と表示してある。イチジクはラム酒に漬けこんでいるそうで、固めの生地との組み合わせが気に入っている。
 そこで、むりやりのこじつけだが、今回はイチジクを使ってみた。食パンの半分にクリームチーズを乗せる。その上にスライスしたイチジクを重ねる。その上からハチミツをかける。2つ折りにしてサンドイッチにする。散歩の後にたべるのには良い。(梶川伸)2016.10.10

更新日時 2016/10/10


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