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阪大へ恐竜を見に行こう③ 日本の肉食恐竜

展示されている歯の化石は、ステーキナイフのような鋸歯(きょし)や、歯のかみ合わせや食物との接触でできる摩耗面も観察できる

 大阪大学総合学術博物館のミニ企画展「日本にいた!“絶滅”古生物」で1番の目玉は、化石ハンター・宇都宮聡さんが白山連峰で発見した恐竜の歯の化石だ。長さ約9センチ、幅約3センチで、黒光りした日本刀のようなカーブを描く。持ち主は全長8メートルを超える肉食恐竜と推定される。
白山一帯はジュラ紀から白亜紀(1億数千万年前)にかけての地層が分布しており、恐竜の化石も時折り発見される。このあたりは明治時代にドイツ人学者、ラインらによってジュラ紀の植物化石が日本で初めて発見・記載された、近代日本の地質学上「聖地」ともいえる場所だ。
恐竜の歯や骨が発見されると「最大」「巨大」という言葉がつくことが多いが、不完全な標本から推定することがほとんど。今回展示される標本は、ほぼ完全な保存状態で、国内最大級といっても過言ではない肉食恐竜の歯の化石といえよう。
【伊藤謙さん】大阪大学総合学術博物館研究支援推進員。ミニ企画展は8月31日まで。日曜定休。入場無料。

更新日時 2013/08/05


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