このエントリーをはてなブックマークに追加

阪大に恐竜を見に行こう② サツマウツノミヤリュウ

宇都宮さんが発見したサツマウツノミヤリュウのイラスト。(C)川崎悟司

 古生物学上の重要な発見は、愛好家たちや偶然に支えられている。あまり知られていないが、豊中市で見つかった古代ワニ「マチカネワニ」の化石(大阪大学所蔵)の発見もその一例だ。
 ミニ企画展「日本にいた!『絶滅』古生物」(大阪大学総合学術博物館主催)では、来年発見50周年を迎えるマチカネワニの新資料や、鹿児島県で見つかったサツマウツノミヤリュウなど本邦・近畿初公開の化石を展示し、愛好家の業績にも焦点をあてる。
 サツマウツノミヤリュウは、日本屈指のサラリーマン化石ハンター宇都宮聡さん(東大阪市)が発見した。宇都宮さんは、地元では「龍(りゅう)が出る」という伝説が残る海岸を散策している時に、化石を見つけた。また数十年間埋もれていたマチカネワニの新資料は、私が豊中キャンパスで出た貝化石の整理の際に偶然発見した。化石骨の特徴である海綿状組織を、標本に見い出した。いずれも偶然が発見のきっかけになったケースだ。
 展覧会では大阪発の次世代技術であるパナソニックの有機EL照明も使用される。この照明は紫外線ゼロで発熱が少なく資料を傷めない。化石資料の展示では世界初の試み。

更新日時 2013/07/12


関連地図情報

関連リンク