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保育士から大道芸人に転身10年

 豊中市在住の大道芸人、むっしゅみの吉(本名・早田実)さんは10年前、保育士をしていた。「楽しい仕事でしたが、大道芸をやりたい気持ちが強くなって、1年で辞めてしまいました」とはにかむ。

 愛媛県内の短大で幼児教育を学んでいた時、ボランティアで訪れた児童館でジャグリングなどのパフォーマンスに出会った。芸に見入る観客の目線や生き生きとした芸人たちの仕草に魅了され、すぐに道具をそろえて独学で勉強した。保育園を辞めてしばらくは、アルバイトで生計を立てながら舞台に立った。現在は西日本を中心に自治体のイベントや祭り、ホテル、学校まで活動範囲を広げている。

 当初より収入は増えたが、不安定な職業だ。それでも「自分がやったことに対してお客さんの反応がダイレクトに返ってくるのが楽しくて仕方ない」そうだ。「特に大阪は反応がいい。たとえ、やじでも楽しいんですよ」と語る。

 私生活では2児のパパ。仕事のない日は保育園に迎えに行って夕飯も作る。最近、3歳の長男がジャグリングのまねごとを始めた。「僕は家ではあまり練習しないんですけど、見ているんですね」と、うれしそうな表情を見せた。(早川方子)

更新日時 2012/06/01


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