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吾妻うどんの女将、巽多津子さん 池田呉服座に登場

池田呉服座の舞台に立つ吾妻の巽多津子さん(左)。隣は森の石松を演じる劇団KAZUMAの藤美一馬座長

 池田市の池田呉服座で18日、150年以上の歴史を持つうどん店・吾妻(池田市西本町)を舞台にした新作芝居が演じられた。「池田とうどんと石松と」と題した芝居は、講談などで有名な清水次郎長の子分、森の石松が讃岐(現在の香川県)の金比羅さんへ代参した帰りに池田に立ち寄り、吾妻でうどんを食べたという伝説から新たに書き起こしたもので、2月公演を行っている「劇団KAZUMA」とともに、吾妻の女将の巽多津子さんや、池田呉服座座元の山﨑照久さんらも出演した。

 生まれて初めて舞台に立ったという巽さんは、実際と同じ吾妻の女将さん役で、一人娘がさらわれたところを、石松に助けてもらうという役どころ。大まかな話の流れを教えてもらったほかは、ほとんどアドリブで演じ、プロの役者を圧倒する存在感を見せた。「きっちりとしたセリフがあると、かえって緊張して棒読みになってしまうので、いつもの調子が出せるようにと心がけた。アドリブではあるけれど、どんな内容にしようかというのは寝ずに考えた」と巽さん。

 巽さんによると、曽祖父の代に石松のような任侠(にんきょう)者が、よく食べにきていたという話があるという。実際に石松が食べたという確証はないが、こうした伝説が呉服座の復活とともに脚光を浴び、池田が盛り上がっていければと話す。

 さらに、公演に来た観客から抽選で20人に、吾妻の名物「ささめうどん」の無料券もプレゼントされた。「劇団KAZUMA」座長の藤美一馬さんは劇中でも食べたささめうどんを「あんかけ風ですごくおいしい。無料券が当たらなかった人も、是非帰りに寄っていって」とアピールした。

 山﨑照久さんは「大衆演劇場に地元の人が立つのは全国でも珍しいことで、今後も機会を見て続けていきたい」と話した。(礒野健一)

池田呉服座 吾妻

更新日時 2011/02/19


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