豊中市が研究報告書「南部地域の活性化に向けた調査研究Ⅱ」を発行
豊中市は人口減少が進む南部地域について、どうすれば「まち」が活性化するのか、 市民への観察調査やインタビュー調査などを行い、分析して活性化の方向性を示した研究報告書「南部地域の活性化に向けた調査研究Ⅱ」を発行した。
A4版160ページ、白黒。発行は豊中市政策企画部とよなか都市創造研究所。500円で販売。販売場所は、とよなか都市創造研究所(中桜塚3-1-28)▽豊中市役所市政情報コーナー(市役所第二庁舎4階)。
以下は概要。
◇調査①庄内駅周辺の観察調査
・学生は同駅周辺の路上に立ち止まって時間を過ごすことがあまりない。
・同駅西側は、青壮年層や高齢層と学生の滞留の量に大きな差はない。
・学生の同駅周辺での滞留が少ないのは、特に同駅西側の空間特性も理由と考えられる。
◇調査②地域イメージについての自由回答の計量テキスト分析
・南部では、地域の治安をネガティブに捉えている人ほど転出を考えている。対して、地域の人のつながりをポジティブに捉えている人ほど定住を考えている。
◇調査③20~40歳代の地域居住者へのインタビュー
・地域の生活利便性への評価は高い。ただし、地域で買えない物があるとも感じられている。そのため地域外での買い物も活発。
・地域の生活環境については、豊中市内の北側との対比で評価される面がある。そのような対比の中で、地域の治安などがネガティブに理解されている可能性がうかがわれた。
・南部地域は音楽関係者が集まりやすい条件がそろっている。大阪音楽大学の学生の中に は、地域に密着して生活し、卒業後も留まる人たちがいる。
◇活性化の方向性についての考察
・路面の工夫などにより「駅前」を学生の滞留が起こりやすい空間に
・単身者が地域とつながる地縁から半歩ずれた「居場所」づくりを
・「音楽」の仕事を地域から発信。音楽関係者のキャリア支援や地域の潜在ニーズ充足を
・生活者の歴史の掘り起しなどを通じ、地域の「下町」イメージの再構築を
=情報提供・豊中市(梶川伸)2018.0518
更新日時 2018/05/18