ちょっと味見を(881) 蛸之徹のタコ焼き
東京方面からお客さんが来たとする。「軽く飲もう」となると、どうするか。
私はしばしば、大阪駅に近い大阪マルビルの地下にある蛸之徹(たこのてつ)に案内する。タコ焼き屋さんだが、客が焼くのがミソだ。
東京の人は、タコ焼き自体がポピュラーではない。それで酒を飲むなど、思いつきもしにない。ましてや、自分で焼くなど想像もできない。しかも、オーソドックスなタコ焼きは12個600円だから、安心して飲み食いできる。
席に座ると、客は鉄板に油をひいて待つ。店員さんが鉄板のくぼみに、タコを入れていく。鉄板の上に生地を流し、刻みネギを散らす。
ここからは客がタコ焼きを完成させる。天かすと紅ショウガを入れ、ピックをクルクル回し、丸い形に成型していく。ぎこちない手つきでも、最後は何とか球形になるもので、自己満足もある。(梶川伸)2017.07.02
更新日時 2017/07/01