豊中市・椋橋総社で園児たち手づくりのこいのぼり100匹
鯉が神の使いであるとの伝説が伝わる豊中市庄本町1、椋橋総社の境内に4月24日、隣接する庄本幼稚園(川辺豊園長、53人)の園児らが作った長さ80センチほどのこいのぼり約100匹が掲げられた。赤や青、緑色など色とりどりのビニール袋で作られたこいのぼりが大空を泳ぐと、園児たちは「本当に泳いでいるみたい!」「私が作ったこいのぼりあった!」と大きな歓声を上げた。こいのぼりは5月中旬まで飾られる。
奈良時代に僧、行基がこの地を訪れ、猪名川に橋を架けようとしたが、流れが速くてうまくいかなかった。そこで総社に工事の成功を祈願したところ、どこからともなく無数の鯉(こい)が集まって背を並べて魚橋となり、その背に乗って工事を完成させた。そんな「鯉伝説」が残っている。
それ以降、庄本地区では鯉を獲ったり食べたりすることは禁じられ、鯉は神の使いとして大切にされるようになった。その伝説を伝え聞いた後世の人々が、捕まえてしまった鯉を
放していたという境内の池には、現在も100匹以上の鯉が泳いでいる。
地域に伝わる話を後世に伝えていこうと、庄本幼稚園は2005平成17年から毎年この
時期に、園児に伝説を語り聞かせるとともに、こいのぼりを手作りして境内に掲げており、今年で13回目となる。
こいのぼりは、容量45リットルの赤・青・水色・黄・紫・オレンジ・ピンク・緑・白の9色の色付きビニール袋を縦半分に切り、白い画用紙を丸く切り抜いて、クレヨンで描いた目を張り付け、油性ペンでうろこなどを描いた。園児全員で思い思いのこいのぼりを、5日かけて製作した。
この日、両手にこいのぼりを持った園児らが境内に集合。川辺園長から「鯉伝説」の話を聞いた後、教員と園児らが、境内に張り巡らされたロープに約100匹の色鮮やかなこいのぼりを取り付けてた。園児たちは全員でこいのぼりを見上げて、「元気に泳いでください」との願いを込めて、「こい のぼり」の歌を歌った。川辺園長は「行事を通して園児やご家族、地域の人たちに鯉伝説を知ってもらい、多くの人に伝えていきたい」と話している。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2917.04.25
更新日時 2017/04/25