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倉田薫・池田市長 新春インタビュー<br /> 「地域分権制度にキャリーオーバー制を導入」<br />

2011年の抱負を語る倉田薫・池田市長

 倉田薫・池田市長に、2011年の抱負などを聞いた。
◇2011年は池田市にとって、どんな年だと思われますか。4月には市長選挙が予定され、倉田市長は5選を目指して立候補表明しています。市長にとっても、特別な年になりますね。
倉田市長 16年市長をやってきて、行財政改革に取り組み、節約ばかり考えてきました。一定のメドが立ったと思います。職員が一丸となって努力したためでしょう。今年はプラスαをつける年です。これまでの成果を踏まえて新しい態勢を作りたいと思っています。
◇池田市というまちにとってみると、どんな年なのでしょうか。
倉田市長 夢ですけどね、五月山動物園のアルパカに赤ちゃんができて、ウォンバットにも赤ちゃんができて、子育て支援のまちにふさわしい出産のニュースがダブルで出てきたらいいなあと思っていますね。池田は新しいものが誕生する「事始めのまち」です。チキンラーメンの発明を筆頭に、20世紀の事始めはたくさんありますね。21世紀の事始めは、1つは制度としての事始めの「地域分権」(市予算の提案権の一部を、小学校校区ごとの地域コミュニティ推進協議会に移譲する池田市の制度)。これは間違いなく定着してきましたが、もう1つ面白い事始めが起こってもいいかなと期待はしているんです。
◇2011年度の予算には、どんなことを盛り込みたいと考えていますか。
倉田市長 まずは教育ですね。教育はハード、ソフト両面です。教育のハードについて、申し訳ないことに、かなり辛抱してもらいました。やっと財政改善のメドが立ってきました。耐震補強で国が補助率をアップしてくれましたから、五月丘小学校の大規模改修ができて、クーラーを設置できました。池田小学校の体育館も新しくなりました。6つの小学校の耐震補強ができました。2つの小学校、耐震補強をしています。その流れを続けていきます。
 昭和11(1936)年の建物がまだ3つあるんです。これを耐震のかちっとしたものするか、場合によっては建て直すか。教育委員会は小中一貫校を言っています。一気に小中一体型の学校に建て替えることも考えます。
◇地域分権制度の今後の展開をお聞かせください。
倉田市長 この制度の最大の問題点は住民の意識改革です。先祖返りですね。昔は、地域のことは地域で解決していました。向こう3軒両隣で解決できるものは、向こう3軒両隣で解決する。自治会で解決すべきものは自治会で解決する。解決できないものは自治体が解決する。自分たちのことは自分たちですることで、税金が余ってきます。2011年度からはだいたい1つの校区に1000万で頑張っていただくつもりです(これまで600万~700万円)。
 どうも、「ある金は使わな損や」という意識が出てきています。公園に手洗いが必要だから1000万の枠の中で造ろう、というのではなく、ここに1000万あるんだから、それをどう使うか、と逆になっている面があります。3月議会に提案しますが、キャリーオーバーという制度を入れます。今でもキャリーオーバーできるんですが、今は残った予算の2分の1だけを次年度の予算枠に繰り入れていました。それをすべて次年度に残せる。そうすることによって、オーバーに言えば、ミニ地方政府ができていきます。ミニ地方政府がより民主的に運営されるために、地域コミュニティ推進協議会の委員さんをあらゆるジャンルから選ぶにはどうすればいいかということに頭を悩ませながら、次の制度設計にかかるのが2011年です。
◇食べ歩きがお好きだそうで、市長の名前をとった薫風焼きというお好み焼きもあるとか。
倉田市長 私はハンバーグが好きですから、お好み焼き屋さんにハンバーグ風のお好み焼きを作ってもらいました。それが薫風焼きです。ほかにも、食堂で薫風弁当、ホテルに薫風の間、薫風という焼酎もありますよ。(聞き手・梶川伸)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第12号(2011年1月6日)詳しい内容はウェブで(http://machigoto.jp)。

倉田薫・池田市長 地域分権

更新日時 2011/01/06


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