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ちょっと味見を(723) カルバドス

カルバドス「ブラーグランソラージュ」

 カルバドスはリンゴから作った蒸留酒のことだ。ブドウから作ったものがブランデーなので、「リンゴのブランデー」といったイメージが近い。カルバドスはフランスの地域の名前だという。
 私自身にとって、大変思い出のある酒になっている。毎日新聞に入社して5年ほどたったころだから、今から40年ほど前になる。大阪・ミナミのはずれにある「エリンネルング」というスナックにしばしば行った。タカラヅカ出身の年配の女性がやっているしゃれた店だった。
 そこでいろいろな洋酒を教えてもらったが、カルバドスもその1つだった。その女性の説明はこうだった。「フランスの焼酎のようなもの。レ・マルクの『凱旋門(がいせんもん)』に出てくる。『落ちぶれてもカルバドスを飲むな』と」
 その一言が印象に残り、凱旋門を読まないまま、時々飲んだ。飲む以外に、豚肉とリンゴのカルバドス煮も作った。懐かしくなって久しぶりに買ったのも、料理に使おうと思ったからだ。未だに凱旋門を読んでいないのが心苦しいが、懐かしい。(梶川伸)2017.01.31

更新日時 2017/01/31


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