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池田・豊中発ガンバルジャン②

ブランケネーゼの東忠男代表取締役(右端)と社員のみなさん

ブランケネーゼ――
 池田市桃園町の株式会社ブランケネーゼは、1978年に日本で初めてヤマイモをフリーズドライ製法で粉末加工し、それをお好み焼き粉に入れた商品が大人気となった。
 その高い技術を使うことで、何か新しいことが出来ないだろうか。そう考えた代表取締役の東忠男さんは、農産物の未利用部分に着目した。北摂産タケノコと能勢栗の規格外品や外皮を粉末化し、お好み焼き粉に入れた。ほのかに感じる風味で、これも人気商品となった。現在、道の駅能勢くりの郷や能勢地域の阪急オアシス、会社の通販サイトで買うことができる。
 生産者は有料で処理していたものを買い取ってもらうことで、少ないながらも収入が増える。「これで温泉でも行ってもらえればうれしいよね」と東さんはほほ笑む。
 同じような未利用品は他にもある。固いからと捨てられるアスパラガスやブロッコリーの茎下部分は、粉末化してアイスクリームなどに混ぜて商品化した。弁当工場で規格外として廃棄されていたサツマイモとカボチャは、フリーズドライ後に刻んでペットフードとして生まれ変わる。
 これらの事業は、大阪府の「おおさか地域創造ファンド」や農商工連携の支援事業として採択されている。そこで知り合った他の事業者とのつながりも、東さんは大事にしている。「分野は違っても、何かやろうと考えている同士。議論は盛り上がるし、互いの得意分野を生かした新しいアイデアも出る」という。
 今、力を入れているのは新しいギョーザ作りだ。未利用農産物の粉末で緑や赤の鮮やかな皮を作り、中には梅や納豆、キムチなどを入れる。納豆は地域創造ファンド仲間の山口食品(大阪府能勢町余野)の協力を得る。
 「常に新しいものを作り続ける。そこに価値力が生まれる」。東さんの柔和な表情の中に、ものづくりへの確かな情熱を見た。        (礒野健一)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第8号(2010年11月4日)

ブランケネーゼ フリーズドライ

更新日時 2010/11/04


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