豊中市立第二中学校で ネパール出身の女性が母国について講演
NPO法人国際交流の会とよなか(TIFA)(葛西芙紗代表、90人)の会員でネパール出身の海野バティさんが12月3日、豊中市立第二中学校(上田典子校長、482人、宮山町2)で、生徒や教員を対象に、今春ネパールで発生した大地震について講演した。地震直後の状況や現在の様子などを聞いた生徒は「ニュースでは知ることのできない話を聞くことができました。自分たちがネパールの子どもに何ができるかを考えていきたい」と話した。
海野さんは首都であるカトマンズ市出身。日本人男性との結婚を期に、15年前に来日した。日本で暮らし始めて間もなく、在住外国人の支援活動などを行っているTIFAの存在を知り、会員となった。
第二中は、2012年にユネスコスクールに加盟して以来、総合学習の授業に国際学習として他国の人をゲストスピーカーとして招き、講演を開いている。
2015年4月25日午前11時56分、ネパールをマグニチュード7.8の大地震が直撃した。海野さんが現地の人と連絡が取れたのは2日後。海野さんは法人と募金活動を開始。食べ物や薬のほか、家を造るためのトタンも支給した。また、現在も支援が十分に行き届かず、生活再建がなかなか進んでいないことから、被災者自身が自立していくことの重要性を認識。キルト製品やビーズブレスレットなどを手作りして日本で販売することで、売上金を生活の一部にすることができるようにした。
講演で海野さんは民族衣装を身に付け、母国について、食べ物は手で食べることや来客者にはチャイでもてなす文化、自分より相手のことを気にかける国民性などを紹介。その後、大地震当時の様子や現状をスライドで説明した。海野さんは「現地の人が生活していくためには、支援だけでなく、自立していくことが大事。物作りの大切さを伝え、生活していく基盤が作れるようアドバイスしていきたい」と語った。
TIFAは12月7日に、とよなか国際交流センター(玉井町1)で開催する講演会の会場で、ネパールの手作り品を展示する。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2015.12.05
更新日時 2015/12/05