千里中央の地下街で総合防災訓練
秋の全国火災予防運動期間(11月9日~15日)を前にした11月5日、豊中市新千里東町1、北大阪急行千里中央駅周辺の地下街で、地下街店舗や周辺テナントビルの店員、豊中市北消防署など約200人が参加し、総合防災訓練が行われた。
地下街の飲食店で火災が発生し、複数の負傷者が出たとの想定だった。地下街店舗の店員らが、消防隊や救急隊が到着するまでの初期消火や負傷者の救出・地上への搬送、買い物客の避難誘導などに真剣な表情で取り組んだ。事業者らで組織する自衛消防隊で、初期消火を担当したピーコックストア千里 中央店の泉栄吾さんは「万が一火災や傷病者が発生した場合、消火器やAEDを間違いなく使えるよう、定期的に訓練を続けたい」と話し
ていた。
1980年8月、死傷者百数十人を出した静岡駅前ガス爆発事故を機に、豊中市はほぼ毎年、地下街のある千里中央駅前地区で訓練を実施している。の日午前9時、地下街の飲食店で火災が発生、地下街全般に拡大延焼し、煙が充満、負傷者が複数発生したという想定で訓練がスタート。火災を発見した飲食店の従業員が、ただちに119番通報。地下街に流れた非常放送を聞きつけ、地下街の従業員らでつくる自衛消防隊が現場に急行した。
隊員は消火器や屋内消火栓を使用して初期消火を行うとともに、重傷者を担架に乗せ、地上に運び応急手当てを実施したほか、買い物客役の従業員に呼びかけながら地上へと通じる入り口まで誘導する訓練に取り組んだ。その後、通報を受けて到着した消防隊や救急隊に自衛消防隊隊長が現場の状況を報告。最後に消防隊が負傷者のうち、重傷者2人と軽傷者2人の負傷者全員を地上に搬送し、開始から25分で訓練が終了した。その後訓練参加者を対象に、消火器の取扱いや応急手当ての訓練も実施された。
北消防署は「地下街でひとたび火災が発生すれば煙が充満し、被害がより大きくなる。関係機関が集まる総合的な訓練を毎年続けていくことで、防火・防災意識を高め、安心・安全なまちづくりにつなげたい」と話している。
=情報提供・豊中市(梶川伸)2015.11.06
更新日時 2015/11/06