よっ、待ってました! 池田呉服座41年ぶり“復活”
かつて池田のシンボル的存在で、1969年に閉館した大衆演劇場、呉服座が、41年ぶりに復活する。
通称「くれはざ」を正式名称の「ごふくざ」と改め、私費を投じて復活させたのは、川西市在住でかつての呉服座に足繁く通った山﨑照久さん(63)。自らアマチュアの大衆劇団を主宰する山﨑さんは自ら劇場を作りたいと考え、数年前から場所を探していた。2000年5月、池田中央シネマの閉館という話が舞い込み、跡地を借りる交渉を進めた。
劇場名は呉服座以外も考えたが、「一定の年齢以上の方には、呉服座の名は思い入れがある。それを継承したいという思いはあった」という山﨑さんに、池田市が協力。呉服座の前オーナーや、以前の建物を移設展示する博物館明治村(愛知県犬山市)と話をまとめ、名称の使用許可を取り付けた。
周辺の住民や商店街の人たちも、呉服座復活を歓迎している。ほんまち通りでインテリア用品を扱う川村商店の河村真理子さんは、大の大衆演劇ファン。大阪市・新世界などの劇場に足を運んでいたが、これからは徒歩1分の距離だ。「泣いたり笑ったり、本当に楽しい時間が過ごせる。1度行ってリピーターになってほしい」と宣伝する熱の入れようだ。
池田駅前の和菓子店「香月(こうげつ)」の山脇裕彦さんは「本当に楽しみでワクワクしている。落語で盛り上げるおたなKAIWAIと平行し、相乗効果で盛り上がってくれれば」と話した。
「大衆演劇の全盛期は街ごとに演劇場があり、地域に愛されていた。そんな地域密着の劇場を作りたい」という山﨑さんの思いは、しっかりと受け止められた。(礒野健一)
更新日時 2010/10/21