鯉伝説の豊中・椋橋総社に園児の手作りこいのぼり100匹
鯉(こい)が神の使いであるとの伝説が伝わる豊中市庄本町、椋橋総社(くらはしそうじゃ)の境内に、隣接する私立庄本幼稚園(川辺豊園長、71人)の園児らが作った長さ約80センチメほどのこいのぼり100匹が掲げられた。川辺園長は「行事を通して鯉伝説を体験することで、園児が大きくなっても覚えてもらえればうれしい。地域の人も楽しみにしてもらっていると聞いているので、風物詩として続けていきたい」と話している。こいのぼりは5月中旬ごろまで飾られる。
奈良時代の僧・行基(668~749年)がこの地を訪れ、猪名川に橋を架けようとしたが、流れが急でうまくいかず、総社に工事の成功を祈願したところ、どこからともなく無数の鯉が集まって背を並べて魚橋となり、その背に乗って工事を完成させたという「鯉伝説」が残っている。それ以降、庄本地区では鯉を獲ったり食べたりすることは禁じられ、鯉は神の使いとして大切にされるようになった。
現在も境内の池には100匹以上の鯉が泳いでいる。地域に伝わるこれらの話を伝えていこうと、庄本幼稚園は2005年から毎年この時期に、園児に伝説を語り聞かせるとともに、こいのぼりを手作りして境内に掲げている。
こいのぼりは、容量45リットルの色付きビニール袋を縦半分に切り、画用紙を丸
く切り抜いて作った目を取り付け、油性ペンでうろこと園児の名前を書いたもの。
境内に張り巡らされた長さ70メートルのロープに、色鮮やかなこいのぼりを取りつけた。園児たちは、背丈より高く取り付けられたこいのぼりに向かって飛び上がったり、こいのぼりの下を元気に走り回ったりと大はしゃぎ。園児の1人は「泳いでいるこいのぼりに、タッチするのが楽しい」と喜んでいた。=情報提供・豊中市(梶川伸)2015.04.24
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