ちょっと味見を(18) イカナゴ・ふるせのくぎ煮
友人のお母さんから毎年、イアカナゴのくぎ煮をいただく。このイカナゴは、よく見かける小さなものではない。長さが10センチ近くある。「ふるせ」と呼ばれる。
一般的な小さなイカナゴは、イカナゴの子だ。カマスの子は「カマスゴ」と言うから、「イカナ」の子と思ってしまうが、そうではない。分かりやすく書けば「イカナゴコ」なのだ。一方、ふるせはイカナゴの親のことを言う。
一般的なイカナゴのくぎ煮は、神戸・明石方面の家庭が炊く早春の食べ物だった。阪神大震災で活動したボランティアに、被災地の人たちがお礼に送って、広く知られるようになった。人気が出ると需要が増え、加工業者も参入して、値が上がった。震災直後は、朝網、昼網で獲ったイカナゴは、1キロ800円すれば高い方だった。
ところが今年はついに、一時期2000円を超えた。獲りすぎて漁獲量が減ったことも影響しているらしい。「これはたまらん」と、ワカメの茎の佃煮に転換する人も増えた。
ふるせも減っているらしい。「今年は手に入らないかも」と言っていたが、何とか漁期の終わりに入手できたそうだ。来年が心配だ(梶川伸)=Fasebookにも投稿2015.03.25
更新日時 2015/03/25