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豊中市長に空き家対策を答申

空き家対策を答申

 豊中市総合的な空き家対策方針策定委員会(委員長=鈴木克彦・京都工芸繊維大学大学院教授、10人)は2月16日、安心・安全で良好な住環境の維持と良質な住宅ストックの形成に向けた答申書を淺利敬一郎豊中市長に提出した。この答申書では、質の高い住宅都市としてのイメージを生かした住宅の適切な管理や、中古住宅の流通促進、管理不全空き家の改善・解消を、市民や関係機関・団体、事業者などと連携し取り組む必要があると述べている。
 豊中市は、利便性・住環境のよさが魅力で既存住宅流通市場が活発だが、世帯数以上に住宅数が増加していて、空き家率は上昇を続けている。持ち家に住む高齢単身世帯・夫婦世帯の割合が周辺市と比べて高く、今後も空き家が増加する可能性は高い。空き家率は、2008年時点で約15パーセントと全国や周辺市と比べても高いことから、総合的な空き家対策に関する方針の策定を計画。委員会が市長の諮問を受け、2014年7月から4回の会議を経て今回の答申をまとめた。
 方針は、「はじめに」「豊中市の空き家をとりまく現状」「空き家対策における基本的な考え方と視点」「空き家対策の方向性」「推進にあたって」の5章構成。空き家対策の方針として、住宅の適切な管理、中古住宅の流通促進、管理不全空き家の改善・解消の3つの方向性を示している。策定に当たっては、市内の北部・中部・南部の3地区の自治会への聞き取り調査や空き家と推測される家屋の外観調査、持ち主へのアンケート調査を行うとともに、分譲マンションの管理組合や賃貸住宅を管理する不動産業者などへのヒアリングも行い、市内の現状や課題の正確な把握に努めた。
 この日は鈴木委員長ら3人が市役所を訪れ、「空き家の活用をプラスに捉え、住宅都市としてのポテンシャルをさらに高めて、総合的な豊中市のまちづくりに役立ててほしい」と淺利市長に答申書を渡した。淺利市長は、「少子高齢化などの社会状況の変化と法律の策定など国の動きを注視しながら、答申書の具体化を進めていきたい」と話した。
 市は意見公募の手続きなどを経て、3月中に方針の策定をめざす。空き家対策に関する基本方針の策定は、府内では豊中市が初めてとなる予定。=情報提供・豊中市(梶川伸)2015.02.18

豊中市総合的な空き家対策方針策定委員

更新日時 2015/02/18


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