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マチマネワニ化石の発見者2人が「発見50年の軌跡」展で再会

マチカネワニの骨格化石を見ながら語る大原さん(左)と髙村さん(中)。右は展覧会を企画した博物館の伊藤謙さん

 豊中市待兼山町、大阪大学総合学術博物館で開かれている展覧会「奇跡の古代鰐(わに) マチカネワニ 発見50年の軌跡」の会場を8月29日、マチカネワニの化石の発見者2人が訪れた。髙村功さん(旧姓・人見、奈良市)と大原健司さん(川西市)で、約30年ぶりの再会だった。
 マチカネワニは30万年~50万年前に日本に生息していた体長7メートルに及ぶ大型のワニ。今年は発見から50年に当たること、国の登録文化財として認められたことを記念して8月30日まで、「発見50年の軌跡」展が開かれている。
2人は大阪市内の小学校、中学校の同級生で、「化石少年」だった。中学生の後半からしばしば、一緒に化石探しに出かけた。
 マチカネワニの化石を見つけたのは、ともに予備校生だった1964年5月3日。大阪大学豊中キャンパスの理学部の建設現場で、後に肋骨(ろっこつ)と判明する2つの化石を見つけた。2人はそれを千地万造・大阪市立自然史博物館館長に見てもらった。そこから、千地さん、阪大の中世古幸次郎教授、小畠信夫教授らが発掘調査をし、ほぼ完全な骨格化石が採集された。骨格化石は大阪大学総合学術博物館の目玉の展示物になっている。
 髙村さんは「最初は哺(ほ)乳類の化石ではないかと思った。間もなく、発掘で頭骨が出て、ワニとわかり、みんなでニンマリしたことを覚えている」と振り返る。大原さんは「マチカネワニの発見者と紹介され、偉い先生の表情が変わることもあった」と懐かしむ。
 2人は別々の大学に進み、研究者の道を歩んだが、マチカネワニからは離れていった。「化石の発見は過去の栄光だが、これだけでいい思いをさせてもらった」。それが再会した2人の言葉だった。(梶川伸)2014.08.29

マチカネワニ 大阪大学総合学術博物館

更新日時 2014/08/31