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子育てパパ 岡本昌司さん(上)

通勤途中や昼休み、子どもたちが寝ている時間を利用してツイッターをしている岡本さん。ツイッターのアカウントは@ shojiokamoto

 朝は5時に起きて、掃除と洗濯をする。6時になったら3歳の双子を起こして食事をさせ、着替えさせると、今度は小学6年生の長女を起こす。忙しい朝に限って、双子はジュースをこぼしたりぐずったりするが、後片付けもそこそこに家を出る。出勤途中に双子を保育所へ預けるためだ。

 豊中市に住む岡本昌司さんは、素材メーカーに勤める42歳。2年前に最愛の妻を病気で亡くして以来、男手ひとつで3人の子どもを育てている。

 「大変だけど、少しずつ慣れてきた」と岡本さんは笑う。妻が亡くなって間もないころは近くの保育所が空いておらず、双子を別々の保育所に車で1時間かけて預けていた。そのころは午前4時起床。

 妻を亡くして初めてわかったことがある。「子どもは育つものではなく、育てるもの」ということだ。

 「妻の生前、自分では十分に育児をしていると思っていたが、違った」

 実際におむつを替え、食事の世話をする生活を毎日続けていると、自分が知らないところで、いかに妻が努力してくれていたかを実感した。

 仕事と育児と家事を一人でこなす忙しい毎日で、ささやかに続けている“趣味”がある。ツイッターだ。子どもたちが眠っている早朝や通勤途中に携帯電話を通じて世界に“つぶやく”。

「きょうも子どもたちの話をゆっくり聞いてあげられなかった。ゴメンね」

「怒ってばかりで自分が嫌になる」

 育児パパの飾らないつぶやきは多くの人をひきつけ、アカウントへのフォローワー数は1100を超えた。仕事や育児をしている女性からの共感が目立つ。岡本さんは「今ではお父さんよりお母さんたちと話が合うようになった」と笑う。子どもの下痢や発熱、家事と仕事の両立など、女性の方が情報も多く、わかり合えるからだ。

 以前は卒園式や卒業式で泣くお母さんたちの気持ちが理解できなかったという岡本さんは、今では「私も卒園式では泣いてしまうだろうな」と予感している(早川方子)=6号につづく

更新日時 2010/09/23


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