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豊中市などの消防隊員が鉄道車両を使った災害時救出訓

車両の下に入り車体の説明を受ける市消防隊員

 鉄道災害時の安全・迅速な救助活動を目的に、阪急電鉄平井車庫(宝塚市平井7)で6月23日、鉄道災害時の安全対策研修会が開かれた。豊中市や兵庫県川西市など電鉄沿線にある9市3町の消防隊員48人と電鉄員13人が参加し、車両の構造や電気機器の配置など鉄道車両の基礎知識を学んだほか、救助用資機材を使った救出訓練や窓ガラスの破壊訓練などを行った。
 2002年11月6日に、JR西日本の塚本駅~尼崎駅の間で人身事故が発生した。事故の被害者を救助していた救急隊員2人が、後続の特急列車にはねられ死傷した。研修会はこの事故がきっかけになった。2003年2月、全国消防長会近畿支部の各消防機関と大手電鉄会社との間で「鉄道事故時の安全対策に関する覚書」が交わされ、通報体制や救助・消防活動時の安全措置などに関するルールづくりが進められた。鉄道災害時の安全対策研修会は2004年度から、豊中市が幹事となり、吹田市・池田市・箕面市・高槻市・茨木市・摂津市・川西市・伊丹市・豊能町・島本町・猪名川町の9市3町の消防本部が電鉄と合同で研修を行い、今年は11回目だった。
 この日は災害時の現場誘導など緊急時の連絡体制や車両の知識についての講習が行われた後、消防隊員らは車庫に移動。4班に別れて、車両のジャッキアップを行ったり、窓ガラスの破壊訓練をしたり、車両の屋根に上がりパンタグラフなど高圧電気機器の説明を受けたりした。
 参加した豊中市消防隊員の西凜太郎さんは「普段経験することができない実車両を使った訓練なので、現場に生かしたい」と話していた。また阪急電鉄の輸部運転担当課長、小林裕明さん運は「事故が発生した場合、迅速かつ的確に活動することが求められる。今日の訓練をお互いに生かしていきたい」と語った。=情報提供・豊中市(梶川伸)2014.06.23

阪急電鉄平井車庫 鉄道災害時の安全対策研修会

更新日時 2014/06/25


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