「ドクターピンク」 禁煙を訴える薗はじめさん
国際基督教大学で心理学を専攻。筑波大学で医学を学ぶ。あおもり協立病院、神戸アドベンチスト病院で内科と禁煙外来を担当。2004年から薗はじめクリニック院長。著書「やめる禁煙、治す禁煙―意志の限界を薬や治療で補う」
豊中市曽根東町1、薗(その)はじめクリニック院長の薗はじめさんは、別名ドクターピンクと呼ばれている。禁煙マークをあしらったピンク色の「白衣」を着て現われた。クリニックの外来は禁煙指導のみで、「その人らしく生きるための力になりたい」とニコチン依存症治療に心血を注ぐ。「世界で6秒に1人の命を奪っているタバコ。発がん性物質は60種類以上、有害物質は200種類以上含まれている。含有物質の有害性もさることながら、ニコチンの精神毒性も重大な問題だ。ニコチンは合法的であってはならない。日本は、禁煙鎖国」と訴える。
内科医をしていて、「タバコがらみではないと人は若死にしない」と実感した。禁煙活動を始めて20年。「タバコの話になると止まらない」と、筋金入りの活動家ぶりだ。
ひと昔前までは、喫煙者の意志でニコチンを断つのは難しかった。ニコチンガムやニコチンパッチ、さらに、飲み薬が登場して成功率が上がった。このためクリニックでは、ドクターピンクが時間をかけてカウンセリングし、タバコを避ける工夫など、職員全員が全面的にサポートする。8割の人が初診から3カ月ほどで成功するという。「喫煙者は内心、やめたいと思っている。自分やまわりの人の命、心の安定、生きがいなど、本当に大切なものを失わないために治療を受けてほしい」と願う。
真っ赤な禁煙宣伝カーで市内を走る。ボンネットにはハートの禁煙マークがあった。飛行機から見えるように天井にも付けたと、ドクターピンクは笑う。講演会では夫の潤さんと禁煙漫才をして啓発活動を続ける。
ピンクの出で立ちは「タバコを吸わない人の肺の色、唇の色、ほおの色だから」。夢はタバコを博物館送りすることと話す。
【薗はじめクリニック】内科在宅診療と禁煙外来(完全予約制)▽豊中市曽根東町1-11-44、ビコロ曽根3階▽電話06-6848-5823▽ホームページhttp://www.sonopink.com/
更新日時 2014/03/12