トールペイントの楽しさ指導 池田・中田陽子さん
さまざま小物に絵を描き、彩色していくトールペイントというアートがある。池田市栄町に住む中田陽子さんは、自宅を教室として、約20人の生徒たちに、その楽しさを教えている。
決まった素材で決まった絵柄を教える教室が多い中で、中田さんは「何でも自由に」と指示を出さない。木箱にメルヘン調の絵柄を描く人、盆に幾何学模様を描く人、それぞれが描きたいものを描き、中田さんも1つずつ個別に指導する。生徒の北川奈津子さんは「作品に合わせて丁寧に教えてくれる」と感謝する。
トールペイントで大事なことは、筆の手入れと、描くときの水分量という。「筆の水分量で、色合いもタッチも繊細に変化する。その加減は説明しても伝えにくいので、とにかく経験あるのみ」と語る。
中田さんは2012年10月、大病を患って入院し、約4カ月教室を休むこととなった。「みんな、また来てくれるかな」と不安を抱いたが、全員が中田さんを待っていた。「講師と生徒という関係だけではない、強いきずなを実感した。もう、生徒が1人だけになっても、教室は続けていくつもりです」と力強く、そして優しく語りかける。(礒野健一)
更新日時 2013/07/10