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園芸高校そば部が全国3位 スロベニアでも発表

秋に行われる、そば打ち段位認定試験の合格を目指し、さらに技術を磨き続ける部員

 高校野球に例えるなら、無名の地方高校が甲子園でベスト4に入るような快挙だ。大阪府立園芸高校が、4月に行われた第3回全国高校生そば打ち選手権大会の団体部門で、3位入賞を果たした。
 そば打ちをする通称「そば部」は、農産加工学研究部応用農産加工班の3年生6人が中心メンバーだ。団体戦は、水回し、こね、延(の)し、切りの4工程を、それぞれ1人ずつが担当して技量を競う。前回大会では、北海道など、そばどころの学校に圧倒され、屈辱の最下位だった。「大阪はうどん文化。そば打ちでは勝たれへんのか」と落ち込んだが、プロのそば職人の指導も仰ぎ、雪辱を誓った。
 指導に当たる大阪市・天満のそば処「つくし」の店主、梶谷清さんは「みんな素直。砂が水を吸うように知識も技術も覚えた」と目を細める。競技のためでなく、食べてもらうそばを打つことも大事と、老人ホームへ出向き、そば打ちを披露した。その時の笑顔に応えるため、さらに特訓を重ねた。部のムードメーカーで、大会では最後の「切り」を担当した廣津飛翔君は、「1年間の思いがあふれ、入賞の瞬間は涙があふれました」と照れる。
 そば部の活動は、そば打ちにとどまらない。2月に筑波大学で行われた「そば研究会」では、約70種類のそば乾麺(めん)について、水分含有量や膨張増加率などの調査結果を発表した。その内容が評価され、8月にスロベニアに開かれる国際そばシンポジウムにも、部員2人が参加し、展示発表する。顧問の石田真一教諭は「大阪発のそば文化を、世界に発信してほしい」と期待する。(礒野健一)

更新日時 2013/06/12


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