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報酬は子どもたちの笑顔 豊中でおもちゃドクター奮闘中

物を大切にする気持ちを伝える「とよなか・おもちゃ病院」。偶数月第2土曜は曽根南町1の豊中市環境情報サロンでも開院

 おもちゃがけがをしたり、病気になったりすると、「おもちゃドクター」が待っている。ドクターは、豊中市岡町北3、豊中人権まちづくりセンター3階の児童館にある「とよなか・おもちゃ病院」にいて、毎月第4土曜(12月は第3土曜)午前9時~正午に開院する。子どもたちの大好きなおもちゃのためなので、ボランティアで働き、治療費はいらない。

 動かなくなった犬のぬいぐるみや、音が出なくなったキーボードなどを前に、「なんとか直してあげよう」とドクターたちの目が輝く。「割れた所をひもで縛ったら」「ハンダでつけてみるか」などと知恵を絞りながら、手当て方針を決める。子どもたちに立ち会ってもらうのが基本だが、入院が必要な場合もある。「壊すのは一瞬。修理には簡単なもので1時間ほどかかる」とドクターのひとりは話す。

 おもちゃ病院は2003年、代表を務める森俊二さんが開いた。定年退職後、すでに開院していた富田林市のおもちゃ病院で半年間の見習いをしてから、地元の豊中市に開院した。ドクターは50~70代の11人。共通点は「機械いじりが大好き」ということだ。それぞれの工具箱には、いらなくなった物の中から集めたオリジナル部品が詰まっている。「いかにしてタダで直すか」と森さん。「四苦八苦して直したおもちゃを渡すと、子どもの表情がパッと笑顔に変わる。その顔を見て、ドクターもうれしくなる」と話している。

 治療中のドクターの横顔は「ちょっと年老いた子どもみたいでしょ」と言っていた。

 (進藤郁美)

おもちゃ病院 豊中市環境情報サロン 豊中人権まちづくりセンター

更新日時 2012/03/21


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