このエントリーをはてなブックマークに追加

豊中市の金田仁美さん 国際ピアノコンで第1位

音楽以外には、フィギュアスケートの鑑賞が趣味。「選手がリンクに出て行く瞬間の緊張感が、私がステージに出て行く瞬間と重なり合うんですよ」

 豊中市在住のピアニスト、金田(かなた)仁美さんが、2011年10月にフランスのパミエ市で行われた第2回フォーレ国際ピアノコンクールで第1位を受賞した。

 堺市出身の金田さんは、ピアノ教師をしていた母の影響で4歳からピアノを覚え、小学5年生から本格的なレッスンを始めた。その後、大阪府立夕陽丘高校音楽科から京都市立芸術大学音楽学部に進学し、若手ピアニストとして頭角を現していった。

 大学の後半になると、プロの音楽家からも金田さんに伴奏をしてほしいという依頼が多く舞い込むようになった。「それはとてもうれしかった」と話すが、一方でオファーが入ると譜面読みや練習で時間を取られ、自分のために弾く時間がなくなるジレンマも生んだ。「もっと自分のピアノに打ち込める環境を」と、大学院2年目の秋から約2年間、フランスへ留学した。

 「本当にピアノ以外にすることがない環境でした。パリでレッスンを受け、月に1度マルセイユでも個人レッスンを受けました。美術館や教会を歩き、何かしら感性も変化したかもしれません」

 フォーレ国際ピアノコンクールは、留学中の2009年にもエントリーしたが、1時間も演奏が続くため、「体力的にも精神的にもバテが来て、後半は崩れてしまった」と結果を残せなかった。その反省から、今回は2時間通して演奏を続けるなどの練習をこなし、余裕を持って本番に挑めるようにしたという。

 受賞を記念して、2月4日に堺市立東文化会館(072-230-0134)で、2月23日に京都・青山バロックザール(075-393-0011)でピアノリサイタルが行われる。

 「普通はもう社会人として、親に恩返ししなければならない年齢なのに、まだ色々と気を遣ってくれる両親には感謝しています。自分がどれだけのものになるかわかりませんが、誠意を持ってこれからもやっていきたいです」(礒野健一)

フォーレ ピアノ

更新日時 2012/01/10


関連地図情報